SSブログ

王子とこじき [読書全般]

 今日も定休日。昨日とほぼ同じ時刻に起床。昨日の深夜に録画した番組や、たまっている朝ドラを1週分まとめて見たりする。脳が疲れ、昼食後、しばらくスマホをいじったりしてから午睡。夕刻起きて、社説のダウンロードなど。
 しばらく読書をしてから夕食時にサンテレビ「熱血! タイガース党」を見る。今日のゲストはタイガース前コーチの金村暁さん。もとファイターズのエースやった金村さんは、現役晩年3年間はタイガースのユニフォームを着ていたので、れっきとしたOB。なにより今年活躍しているリリーフ陣を作りあげたコーチとして関西でも解説者として活躍中。話もわかりやすく、あっという間に番組が終わったという感じ。
 食後、読書の続き。ものかきの作業をしている途中で読みかけていた本はまた改めて読み直すことにして、気分を変えて別な本を読み始めたのが、するすると読めてしもうた。
 マーク=トウェイン/河田智雄・訳「王子とこじき 上・下」(偕成社文庫)読了。タイトルこのままでええんかね、と思いつつ、児童文学の古典で読んだことのないものを買い整えていた中から選んだ。児童向けの翻訳ながら全訳版の上に、初刊本の挿絵をふんだんに入れてある。ここらあたり、出版社の心意気みたいなものを感じるね。
 英国の皇太子と瓜二つの浮浪児トムが偶然出会い、着物を取り変え、皇太子はそのまま浮浪児としてロンドン市街に放り出され、トムは皇太子として家臣たちにかしずかれるようになる。まったく異なる立場に立った両者の成長物語、というだけやない。身なりだけで人を判断することの愚かさであるとか、中世イギリス社会の状況を描くことによって統治という行為に対する皮肉を効かせた構成など、非常に読みごたえがある。この「そっくりさんの入れ替わり」は、現在までいろいろな作家が手掛けることになる鉄板ネタになるわけやけれど、本書が人間社会の愚かさの本質を鋭くついている傑作やからこそ、そうやって追随する作家たちが出てきたんやなあと、原点を読んで納得した。ストーリーは比較的単純やけれども、皇太子の体験する貧困生活の描写や、頭がおかしくなったと言われても皇太子としての矜持を忘れない少年の態度など、中身は濃い。少しばかり説教臭い面があるとはいえ、古典として現代まで読み続けられているのも当然です。やっぱりトウェインは面白い、うん。

 10月15日は「たちよみの会」例会の予定です。新型コロナウィルス感染症については5類に分類されましたが、あちこちで学級閉鎖になったりしている現状に鑑み、今月も13:00~15:00の短縮バージョンで行います。ご参加お待ちしています。

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。