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雄弁な一枚 [大相撲]

 今月の月刊「大相撲」誌は新横綱白鵬特集。カラーグラビアページには、相撲協会の使者が横綱昇進をしらせる定番の写真が掲載されてるんやけれども、これがどうも過去の横綱とは一味違うんである。
 これまでの横綱なら、横綱および師匠夫妻と使者を対称形にした構図が使われるんやけれども、「大相撲」誌の写真は違う。使者はほとんど端っこに追いやられ、白鵬と宮城野親方夫妻が使者を迎えている場所から力士1人分くらいあいたところに熊ヶ谷親方が座っていて、なんともいえん表情で口上を述べる白鵬を見つめているのですね。
 熊ヶ谷親方は、先代の宮城野親方で、理事長も保証した「本当の師匠」。白鵬の隣で神妙な顔をして頭を下げているのが当代の宮城野親方。5月21日のブログに書いたので、再度は書かんけれど、つまり政略結婚で師匠の座が転がり込んできた当代を先代が見つめる図という写真になっているのです。
 なんと雄弁な一枚なんやろう。これ1枚あるだけで、くわしいことを知らん人でもこの3人の関係になにか裏があると一目でわかる。これは相撲専門誌ではあるが、相撲協会批判もきっちりとやってきた「大相撲」誌ならではの写真やね。発行が新聞社であるということを考えると、極めてジャーナリスティックな写真といえる。週刊誌みたいに声高に騒ぎたてるわけやないけれど、お家騒動の本質をずばりと表現している。私が「相撲」誌(ベースボールマガジン社)よりも「大相撲」誌が好きなのは、こういう視点があるからなんですね。
 百聞は一見にしかず。それを実感させてくれる一枚の写真やった。相撲ファンとしては、見たくない恥部を見せられてしまい、正視できない気持ちにはなるんやけれども。


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