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鐘よ鳴り響け [読書全般]

 朝から毎度の如く昨夜録画した深夜アニメを見る。そのあとパソコンで遊び、昼食後も少しパソコンの続きをしてから、午睡。ここのところ、ゲリラ豪雨など夕立があり、今日は大阪東部で降ったらしく、午睡をしていても心地よい風が入りよく眠れる。昨日は猛暑の中歩いたりしたので今日はかなり疲れていたらしく、夕刻まで熟睡。夜はラジオとスマホでプロ野球中継を。この3連戦はCSでしかテレビ中継がないんで、明日もこういう聞き方になるなあ。6点差で楽勝のはずがリリーフ陣がぐだぐだで最終回一発逆転サヨナラというところまで行くんやから、神宮球場は油断でけんなあ。
 古関裕而「鐘よ鳴り響け 古関裕而自伝」(読了)。朝ドラ「エール」のおかげで作曲家古関裕而の再評価が進んでいる。本書もそのうちの一つ。親本は1980年刊行で、そのあと図書館などが買う自伝シリーズの一冊として復刊されただけやったのが、こうして文庫化されるんやからね。本書は著者が自分の作ってきた曲や、それにまつわる人々に対する思い出を時系列にそって綴ったもの。音楽学校にも行かず、独学で作曲家となったというのは昭和初期という時代を感じさせる。面白いのは、「露営の歌」などは「軍歌」やなく「戦時歌謡」やと書いていること。巻末にご本人によるものらしい作品リストがついているけれど、戦時中に国威高揚のために作られた曲はかなり多いし、おそらく戦後はそれできっと批判されたことやろう。ただ、偉いなあと思うのは、決して戦時歌謡について自分の仕事を卑下することがないということ。下手な言い訳はしてへんのですね。ただ、やはり戦後に作曲した「鐘の鳴る丘」や「長崎の鐘」などについてかなり力を入れて書いてはるのは、きっとあったやろう批判に対する著者なりの主張やったんやないかな。戦後は平和を讃えた曲で多くの人たちから支持されましたよ、という。そして菊田一夫との仕事について多くを割いているのが特徴的。東宝ミュージカルの立ち上げについて著者の果たした役割は大きく、「日本のスーザ」と呼ばれたなんてことは全く書いてないのに、ミュージカルに関してはものすごく力を入れている。「オリンピックマーチ」よりも、「君の名は」の方が著者にとっては大切なものなんやということが伝わってくる。ちなみに巻末の作曲リストのなかに戦後に作曲した「ドラゴンズの歌」や「巨人軍の歌」、「東映フライヤーズの歌」があるのに、戦前の「大阪タイガースの歌」が入ってへんのがなんとなく面白かった。親本が刊行されたころは、「六甲おろし」は大阪で中村鋭一が歌うだけの実にローカルな存在でしかなかったということがこんなところで証明されているのですね。作曲者も忘れていた曲が、今では彼をモデルにしたドラマの一シーンにまで登場するわけやから、なんだか面白いなあ。リストからはNHKのスポーツのテーマも入ってへん。かなり抜けの多いリストなんで、資料的には無価値ではないにしても不正確なものかもしれんね。とりあえず、本書をベースにして、今年になってから出た古関本を何冊か読んでみることにしよう。

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