SSブログ

すべてはタモリ、たけし、さんまから始まった [読書全般]

 朝からテレビを友とする。アニメだけやなく、夏の甲子園、高等学校野球選手権大会の開会式も録画して、入場行進や選手宣誓のところを中心に見たりする。暦の上では秋やけれど、やっと「夏が来た」という気分になるなあ。風物詩というのは大切なのですよ。
 休みを利用してためていた録画番組をまとめてみたりしてから昼食。食後は読書。夕食後も読書。なんか、ほんまの自分にかえったみたいな気がする。熱低の影響か、風が通って過ごしよい。明日からはまた暑くなるらしい。
 太田省一「すべてはタモリ、たけし、さんまから始まった」(ちくま新書)読了。著者は東大の大学院で学んだ人らしいけれど、出身地が略歴に書いてないので、困る。というのも、笑芸関係の著作は、上方出身かそうでないかで切り取り方が変わるからね。なんとなく関東の方かなという気もしないけれど、「ヤングOH!OH!」や「ヤングタウン」について踏み込んだ描写もあるので、ちょっとわからん。ただ、日本が「笑う社会」になったのは1980年代のマンザイブーム以降であるという書きようをしているので、近畿圏の人ではないのかなとも思う。80年代以降の「笑い」の変遷を、タモリ、ビートたけし、明石家さんま、ダウンタウン、M-1グランプリを軸によくまとめてある。ただし、基本はテレビのバラエティが中心で、枚数からいうてもここまでが限度かな、という感じ。笑いをボケとツッコミの観点からしか見られないあたり、どうしても分析が一面的になりやすいきらいはある。テレビの「お笑い」とは関係ないかもしれんけれど、立川談志や桂枝雀の「笑い」に関する理論を取り入れたりはでけなんだものか。2010年代になって「柔らかいツッコミ」などが出るようになったと著者は書くけれど、大阪の漫才ではダイラケが「つっこまずに身なりを一度正してから舞台袖に帰ろうとする」というツッコミ方をしていたり、Wヤングが直接つっこまずに客席に向かい「ちょっと聞いたあ?」と客にツッコミ役を振るなど、単純なボケツッコミなどでは言い表せんテクニックを駆使していたわけで、それを「時代の変化」のせいにするのは、私には違和感しかなかった。様々なテレビ番組を網羅し、資料もしっかりと読みこみ、「笑い」論としては見るべきところも多いだけに、もう少し長いスパンで見た、テレビ以外の「笑い」もふくめたものにできなかったかなあと、残念に思うのです。

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。