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時の子供たち [SF]

 昨日は解熱剤のおかげで体温は一気に下がり、寝る前にも服用したので、朝の体温は35.3℃。しかし、昨日の発熱のせいで体力が落ち、発熱していた時よりもだるい。発熱していた時は体は重くて動くのがおっくうやっただけで、動くのは動けていた。今朝は動くとすぐに発汗。動かなくても発汗。歳も歳やから無理せず休むことにする。
 朝食後、少しパソコンに向かうが気がつけばうとうと。これはいかんと寝床へ。昼食を取るために起きて、パソコンで作業。しんどくなってきたので、また寝床へ行き午睡。体温は36.9℃で平熱よりも少しばかり高い。夕刻起きてきて、ナイター中継を追っかけ再生で見る。今日はサンテレビ-ABC-サンテレビのリレー中継。ベイスターズに完敗の上、牧選手にプロ野球史上初という新人のサイクルヒットを記録されてしもうた。
 試合終了後、読書。体温は36.7℃とまだ平熱より高め。解熱剤を服用するほどではないけれど、体調が戻ったというわけでもない。明日の出勤は朝の様子を見て決めたい。ポイントは通勤可能かどうかと、注射を打った腕の筋肉痛、かな。
 エイドリアン・チャイコフスキー/内田昌之・訳「時の子供たち 上・下」(竹書房文庫)読了。滅亡寸前の地球から、テラフォーミングのために宇宙船が発射された。カーン博士のもくろみは、テラフォーミングした惑星に猿を送りこみ、ナノウィルスを散布して進化を促し、第二の人類を作るというもの。ところが、部下の反乱で宇宙船は破損、猿も宇宙空間で全滅した。しかし、ナノウィルスだけは散布され、テレフォーミングされた惑星で、クモが進化を遂げ、新たな人類となる。やがて本当に絶滅寸前となった人間が冷凍睡眠を繰り返しながら宇宙を旅し、クモの惑星にたどり着く。進化したクモたちと、クモの惑星に降り立とうとする人類の末裔たちとの闘いの行方は……という話。
 猿ではなくクモが進化するというので、千塚治虫「火の鳥 未来編」を思い出した。あれはナメクジが人間のかわりに進化するという展開やったけれど、ナメクジたちは人間のカリカチュア的に描かれていた。本書はそうやなく、クモならではの独自の進化を遂げている。寿命の短さと記憶の継承をどう解決しているか、どのように文明を発展させているか。作者の詳細な描写にうならされる。さらには新たな地球を求めて宇宙をさすらってきた人類の末裔たちもまた長い旅の間に派閥争いや世代を重ねることによる劣化など問題は山積。それらの描写も緻密で、しかも並行して進むクモと人間の物語が離れたり重なったりする塩梅も効果的。そしてクライマックスの戦闘のあと、これまた予想外の結末が。
 英国でA・C・クラーク賞を受賞しただけのことはある読みごたえのある本格SF。非常に面白かった。ただ、装丁は上官も下巻もほとんど同じデザインの上、タイトルが見にくい。2冊並べたらクモの巣が続いた一枚絵になるようにしてあるという凝ったものやけれど、これでは書店で手に取る人はあまりいないんやないか。しかも版元はSF文庫とはたいてい離れたところに置かれることの多い竹書房。せめて背表紙くらいSF文庫っぽくでけなんだかなあ。

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