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人面瘡 [読書全般]

 朝からアニメ「鬼滅の刃 遊郭編」を見る。正月でまだ深夜アニメはお休みやというのに、これだけは当たり前のように放送していた。どんだけ優良コンテンツやねん、と思う。
 餅を焼いて食しながら、大河ドラマ「青天を衝け」の残りを全部一気に見てしまう。渋沢栄一役の吉沢亮さんは、さすがに老けメイクにしても老人役は苦しかったなあ。声が若いまま。歳をとると、声の張りがなくなってしまう。カサカサな感じになる。そこまで声を作るのは難しかろう。常田富士男さんなどが若い頃から老け役が多かったのは、容貌もさることながら、あの独特の枯れた声があったからやと思う。声優でも若々しい艶のある声質の人はどんなに実年齢が高くても老人役はやらへんもんな。とはいえ、まだキャリアが浅いのに、ようがんばったと思います。
 昼食も餅。食後、スマホをいじったり、年賀状を取りに行ったり、amazonで注文した漫画「バーナード嬢、曰く 6」が届いたんで、一気に読んだり。午睡の後は、読書。
 元日に亡くなった従兄は家族葬で弔うたとのこと。時節柄やむを得まい。というよりも、最初からそうしはるんやろうと思うてました。寂しいけれど、仕方ない。
 横溝正史「人面瘡」(角川文庫)読了。今年はある程度まとめて横溝正史を読もうと思うてます。映画化された代表的なものを数冊読んだだけなんやけれど、昨年角川文庫で絶版になっていたものがいくつか復刊されたのを機に、読んでみたいと思うたのです。手始めに短編集から。文章は猟奇的な殺人であるかのようにしていても、短編を読むと横溝正史という作家が本格ミステリの書き手やったということがはっきりとわかる。表題作は、脇に人面瘡があるために控えめな人生を送っている女性の、奔放な性格な妹が殺害された事件を描く。面白いのは金田一耕助のアパートの隣人の一人称で語られる「蝙蝠と蛞蝓」。むさくるしい風体の金田一が殺人犯と思われてしまうのが愉快。本書におさめられた短編はいずれも女性が殺害されるものばかり。不幸な女性もいれば、強欲の末に殺されてしまう女性もいる。作者はそれら被害者に対し、当時の女性の置かれた環境を鑑みてか、どんな悪女でも突き放したような描き方はしていない。いずれも陰惨な殺人事件でありながら、どこかに救いがあるのが特徴。予想以上に楽しく読めた。これから横溝作品をどんどん読むのが楽しみになってきた。

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