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寄宿学校の天才探偵 [読書全般]

 大相撲小言場所「令和四年初場所展望~御嶽海は全勝なら大関~」 を更新しました。

 今日は月例の京都の医者行き。阪急の特急で上洛。がらがらとまではいかずとも、往復とも座れるくらいにはすいていた。診療後、調剤薬局で薬を受け取ってから、すぐに帰阪。駅前の理髪店で整髪。さすがに髪がぼさぼさになって漫画みたいな髪型になったりして妻に笑われたりしていたので、時間のある時に行っておかんと。
 帰宅後、午睡。夕刻起きてきて、スマホをいじったり読書をしたり。夕食後も読書。やっとこさ読了した。明日からの連休は外出せずおとなしくしておこう。新型コロナウィルス感染症の新規感染者は昨年の9月なみになったそうな。うーむ。
 モーリーン・ジョンソン/谷泰子・訳「寄宿学校の天才探偵」(創元推理文庫)読了。全3冊にわたる長編の第1巻。ただし、文庫刊行時には単独で刊行されたので、1冊ずつ感想を。アメリカの人里離れた場所に作られた学校、エリンガム・アカデミーが舞台。この学校は一芸のある生徒のみが入学できる。推理マニアで、特に学校の創設者であるエリンガム氏の妻と子の誘拐殺人事件の真相を調べたいという少女スティヴィは入学を許されるが、同級生たちに作家、ジャーナリスト、ユーチューバーなどなどそれぞれ一癖もふた癖もあるものが集まっていた。スティヴィは事件の調査を始めるが、その事件をもとにした映像を作りたいというユーチューバーのハイエスに協力して事件関係の資料を提供する。その作品の製作途中、生徒の一人が死亡する事件が起こる。当初は事故ですまされるところだったが、疑念を持ったスティヴィはこれが殺人事件であるという確証を得るが……というお話。むろんエリンガム事件の謎も解明されていなければ、主人公の目の前で起こった殺人事件も解明されていない。米国では3冊は1年ごとの発行やったそうやけれど、スピードの時代である現代で、そんな悠長なことが普通な行われているという訳者の解説に驚いた。本書の邦訳は2020年の5月。完結編の3巻は2021年の10月。1年半かけての刊行ペースでも長いと感じたのに、3年かけてますか、本国では。
 思春期の少年少女たちのちょっとした感情の動きなどを活写している。そして級友の死が起こす波紋の大きさも。本書ではとうじょうじんぶつのせいかくなどをじっくりと描いたところで、最後に本題である殺人事件が起こる。おもしろいのは、主人公の推理少女が決して魅力的に描かれていないところ。いや、登場する少年少女みながほとんど躍動的やないんですね。日本やとそれぞれ一芸に秀でている者たちの抱えるコンプレックスをこうまであからさまに描くことはあまりない。これを米国の抱える病理と重ね合わせるのは簡単やけれど、そんなに単純なもんやないようにも感じられる。というわけで、2巻ではどのような展開になるのか楽しみですね。

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