うるさいタイガースおやじ

　今日も出勤日。朝から雨。オデッセイ学校の近辺はかなり強い降りで足元などびしょびしょになってしまう。授業は３コマ。残りの空き時間は提出されたプリントのチェックに費やす。次の出勤日は月曜日で、４コマ授業があるので、今日のうちにその準備をしておかんと間に合わん。他には、分掌での私の仕事である遅刻の統計を出したりと、なんやかんやで慌ただしく時間が過ぎていった。１時間だけ休暇を取り、退出。午前中で雨はあがったけれど、空気は冷えこんでいる。
　梅田に出て、そのまま阪神電車に乗る。甲子園行きの臨時特急で西へ。５時半ごろには甲子園球場につく。今日は今季甲子園で初めてのジャイアンツ戦。ファンサービスで帽子を貰う。甲子園での開幕試合とあわせて、今季は２つ目の帽子。ええ感じのデザインやけれど、おっさんがかぶると少し恥ずかしいかも。
　三塁側の内野席に陣取る。開幕戦よりもかなりグラウンドに近い。タイガースのド派手な「ウル虎の夏」ユニフォームのお披露目試合。斬新過ぎて野球のユニフォームやないみたい。席の左側はジャイアンツファンの男性が一人で見にきていた。こちらは非常に紳士的に観戦。問題は右側のおっさんで、おそらく配偶者と思われる女性といっしょに見にきているんやけれど、とにかくやかましい。テレビの前でふだん毒づいているのをそのまま球場に持ちこんでいる感じ。ジャイアンツの戸郷投手が出てきて快投すると、もうタイガースが負けたかのようなことをいい。タイガースの西勇投手が打ち込まれると早く交代させろと毒づき、５回の時点で５点差で負けたままやったらもうコールドゲームだ、帰ると言う。５点差で負けててくれたら帰ってもらえてうれしかったんやけれど、夕食の甲子園カレーを買う列が長く延々待たされる間にサトテルが反撃の一打を放っていて、私が席に戻ってきたら「佐藤のホームラン見てませんでしたか」と嬉しそうに言う。ええ所を見逃してざまあみろと、マウントを取ったつもりなのかな。手元のスマホでDAZNのアプリを開き、その場面を配信で見る。戸郷投手はこの回打ちこまれ、１点差に迫られた。かくしてくだんのおっさんは帰らず。チャンスで梅野選手に打席が回ってきた。一塁に走者がいるから併殺を防ぐ意味でバントが妥当かなと思うて見ていたら、おっさんは「転がせ転がせ」とゴロを打つのが最善策のように叫ぶ。それで併殺になったらどうするの、と言いたいところをぐっと飲みこむ。こんなおっさんにはからみたくなかったからね。で、おっさんの言葉どうりゴロを打った梅野選手は併殺に打ち取られた。言わんこっちゃない。わかってへんのやったらいらんことを言うな。
　配偶者らしき女性が先に変えると、おっさんはとたんに寡黙になる。あのしゃべりは同伴の女性に聞かせるためのものやったんやね。ただ、試合終盤、スコアボードに映し出された歌詞を見ながら選手のヒッティングマーチを歌いだしたりしたので、年季の入ったファンであるところを見せるのかと思うたら、メロディを正確に覚えてなんだので途中で自信がなくなったのか小声になり、歌詞の最後はごにょごにょとごまかし、「かっ飛ばせ、近本」というところだけ大声を張り上げる。私はそういう応援につきあいたくないから内野席のチケットを取っているので、まるでライトスタンド気分というような応援をされるとうるさいだけでちっとも楽しくない。
　というわけで、タイガースは負けるおっさんには不快にさせられるサトテルのホームランは生で見られないと、せっかく楽しみにしてたのに、なんや興をそがれた感じになってしもうた。
　タイガースショップに行き、新しいキーホルダーを買う。今のキーホルダーはくっついていた桧山のユニフォームが外れ、色あせたヘルメットが残っているだけやったので、新調したかったのです。サトテルの写真を映しこんだものにする。帰路は梅田行き臨時特急で座れたので、少しましやったけれど、もう仕事帰りにナイター観戦するパワーがなくなりつつあることを実感。それと古い体質の「タイガースファン」が根強く残っていることも実感。私にとってのタイガースは勝敗を超越したところにある。５０年近く応援し続けてきたら、常勝チームにならなくてもええと割り切って楽しめるようになった。あの「暗黒時代」もがらがらの甲子園でメガホン振ってたんやからね。田淵、掛布、ラインバックにブリーデン、スタントンからグリーンウェルの活躍を見てきたファンやから。そやからというて他のファンより上になろうなんてことは考えてもいない。佐藤のホームランを見逃した人には偉そうにするのではなく、見られなかったことを惜しんであげるくらいの度量が欲しいですよ、ほんま。
　帰宅後、ばてばてでどぶさっていたらもうこんな時間。はよ日記書かな、と焦っている割には今日も長文になってしもうたなあ。