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被災地の知事 [1月17日の記憶]

 いくら腹に持っていても口に出したらいかんという言葉というのはあるよなあ。「関東大震災が起こったら(関西経済にとって)大チャンスだ」というのを、それも被災地の知事が言うと問題になるのは当たり前ですよね。
 ただ、この「失言」は「ここでこういう発言をしたらマスコミに取り上げられて話題になり、非難も浴びるが称賛の声もあがるだろう」みたいな、計算のうえの発言という印象を受けないという点において、そしてまた震災の被害から立ち直るための労苦みたいなものとその間に経済の中枢を完全に握ってしもうた東京に対する屈折した思いが透けて見えるという点において、生々しい本音という感じがする。
 それに対し「僕が言うのもなんだが、不適切だ」とコメントした隣の知事の胸中に「マスコミはもっとうまく使えよばーか、これだから素人は。けっ」という気持ちがこめられたりなんかしているということは、たぶんないと思いたいですね。

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朝の闇 [1月17日の記憶]

 朝、5時50分ごろに起きた。
 フリースを羽織ってベランダに出た。
 空はまだ暗かった。闇、というほどやなかったけれど、夜の空やった。
 13年前の今日、空はこんなに暗かったかなあ。
 天井からぶら下がる蛍光灯がゆっくりと、しかし激しく揺れていた記憶はある。
 起きて立ち上がり、部屋の床が本などで完全に埋まり、棚が空になっていたのも覚えている。
 食器棚の戸がしっかり閉まっていたおかげで食器類が散乱せんとすんでいたことも覚えている。
 ようようつけたテレビの画面に、まるで怪獣が暴れたかのように破壊された神戸の街が上空から撮影されていたのも覚えている。
 ただ、あの時の空の色についての記憶が、ない。
 動転してたからなんか。
 空が明るいか暗いかなんて同でもよいことと脳が記憶を処理してしもうたのか。
 今、私が教えている高校生たちは、その時5~2歳か。
 揺れた感触くらいは体に刻みこまれているやろうか。
 たずねてみようと思うたけれど、やめた。
 「記憶がないんですよ」なんて言われたりしたらどうしよう。そんな回答に私はどのように言うべきなのか。
 うまく伝える言葉を、私は持たない。ただ、こうやって、自分の記憶だけは毎年確かめておこう。
 13年前の今日、天井が、床が、すべてが揺れていた。
 たぶん、その揺れはまだ終わってない。

 1月20日(日)は「たちよみの会」の例会です。今月は新年会をしますので、多数のご参加をお待ちしています。


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