SSブログ

小沢昭一の死 [追悼]

 今日は土曜日の代休。午前中はゆっくり寝て、午後から外出。京都の医者で、今年最後の診療。前の患者さんがものすごく時間がかかったので、待合室でひたすら読書。これはけっこう疲れた。それから河原町まで出て、お歳暮の注文などをしてから帰宅。予定よりも遅くなり、寒風吹きすさぶ中、手先がすっかり冷たくなった。
 夕刊の紙面で、俳優、民間芸能収集家、タレントやった小沢昭一さんの訃報 に接する。享年83。死因は前立腺癌。
 私は小沢さんにはそれほど思い入れはないんやけれど、米朝師匠と正岡容さんの同門であるということはもちろん知っていた。つまり、俳優、タレントという肩書だけやなく、研究者という側面を強く持っているところが、米朝師匠と共通しているわけですね。
 以前、桂吉坊さんの本で吉坊さんにかんで含めるように民間芸能について教授してはったのを読んだ時、ああ正岡門下の孫弟子として話してはるんやなあと思うたことがある。
 よう考えてみたら、米朝師匠といい小沢さんといい、研究者であるとともに実践の徒であるわけやけれど、現代では分業化が進んで、研究者は研究のみ、実践者は実践のみみたいなのが当たり前になっているように思う。そやけど、力量のある人やったら、研究したことを実践し、その道での第一人者となることは今でも可能なわけで、そういう意味では小沢さんのような存在は貴重やったんやなあと思う。
 芸というものに対して真摯に取り組みながら、その功を誇らず、軽妙な語り口で私たちに伝えてくれた達人。それが小沢さんやった。関東のことはようわからんのやけれど、小沢さんの後継者はいてるんやろうか。
 謹んで哀悼の意を表します。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:芸能