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ヒトラー 最期の12日間 [映画]

 早朝まで雨。午後からは日がさしてきた。しばらくは地面の水分が蒸発する関係やろうか蒸し暑い。日が落ちる頃にはそれなりに涼しくなってきた。
 授業で生徒といっしょに「ヒトラー 最期の12日間」を見る。ソ連軍に囲まれ、万事休したナチスドイツの面々がどのように動いたかを丹念に描いていて、生徒たちにはちょっと重かったかなあ。そやけど、戦争に負けるというのはこういうことなんやで、とか、自分で考えずに盲目的に為政者に忠誠を誓うというのはこういうことなんやで、というメッセージは伝わったんやないかと思う。
 でもやっぱり降伏が決まると次々と自決するSSたちの姿や、市街戦で弾に当たって目をあけたままことりとも動かない兵士やとか、自分の子供にねむり薬を飲ませ、寝ている間に毒を飲ませて殺し、そして自分たちも自決するゲッペルス夫妻の姿やとか、かなりきついシーンが次々と出てくる。ドイツ人が歴史を美化せず、真正面に向き合って作った映画なんやなあ。いろいろと思うところあり。
 そんな映画を見てへろへろになって帰ってきて、相撲のあとタイガースの試合を追っかけ再生で見たら、いやまあなんかもうそのなんです、試合に負けるというのはこういうことなんやというメッセージをタイガースナインがファンに送っているんやないかというような。うーきつい一日でありました。

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チャップリンがない [映画]

 以前、この日記で「歴史と文化」なる授業で生徒に歴史に関わる映画を見せているということを書いたことがある。
 生徒のリクエストの多かった映画に「チャップリンの独裁者」があったので、これと「ヒトラー最期の12日間」をセットで見せようかなどと考え、最寄駅前のレンタルビデオ店で探したけれど、これがないのですねえ。
 で、今日は帰りに途中下車して天六のレンタルビデオ店に寄って探すことにした。「ヒトラー最期の12日間」はレンタル中やったけど、置いてあるのを見つけた。次は「独裁者」。
 ない! 探しに探したけれど、ない。検索用の端末があったので、「ちゃっぷりん」と打ちこんでみる。
 ない! チャップリンは一切ない。
 需要と供給の関係があるから、レンタルされないものはいつまでも置かないというのはわからんでもないけれど、なんというかチャップリンが一枚もないというのは驚いたなあ。
 いつもテレビから録画したものばかり見ている関係で、レンタルビデオ店は長いこと利用してなんだけれど、いわゆる「古典的名作」はほんまに置かんようになってるんやなあ。
 わざわざ買うのもなんですしねえ。「独裁者」は断念するか。ただ、「ヒトラー」が見せたい時にレンタルされていたら困るので、他にリクエストの多かった「壬生義士伝」などの解説プリントも用意して、借りられるものを優先的に見せるしかないですねえ。
 それにしても、チャップリンを置いてへんのはちょっとショックやったかも。ああいうものはあって当然と思いこんでたもんね。

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「金環蝕」の政治家たち [映画]

 職場ではあちこちで咳にマスク。風邪がはやっているのであります。私も微熱は続く鼻の調子は悪いと、風邪の諸症状を改源をのんでだましだまし仕事をしている。非常にタイトなスケジュールなのであります。
 成績処理をするかたわら、漫研の生徒を週末に集めて卒業生に渡す部誌の原稿について説明する予定。手早くすませて会議に出ねばならん。ほんまにちょっとばかりの風邪では休まれんのですよ。
 帰宅して新聞を広げると、しんぞう総理は憲法改正の発議をすると言うてるそうな。まずは国民投票でも同意を得られそうなところから変えていくんやて。そうやって馴らしておいて、最後は第9条、ですかね。意図が丸見えで、腹芸のひとつもでけんのですね。
 というのも、先日BSで放送していた映画「金環蝕」を見ていて政財界の癒着やそこに暗躍するうさんくさい人々の姿と照らし合わせてしまうのですね。
 いや、国民にわからんように私腹を肥やしたり金で政治を動かしたりしてほしいというのではありませんよ。気がついたらとんでもないことになっていた、なんて嫌やからね。
 ただ、政治家の質というものが大きく変わったんやなあ、と感じただけのことであります。特に言葉の軽さという点で、総理もゼロサム市長も昔なら大物政治家に軽く一蹴されてしもうているんやないかなあと、「金環蝕」を見てて思うたのですね。宇野重吉の怪演が特に光る。あんなにうさんくさい人物を演じられる存在感のある役者、今はいてるかなあ。無表情な悪徳政治家を演じる仲代達矢もよろしいな。

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寅さんは半関西人? [映画]

 今日はしっかり午睡。寒くなったら冬眠するのが自然の摂理であるなあなどと思う。昼寝もしかり。衆院選で「昼寝の権利」や「冬眠制度の実施」を公約に掲げる候補がいてたら、党派かまわず投票するんやけれど。
 昨日の体験授業「なにわ学」では「大阪ことばあれこれ」と名付けた教材を使用。今年の9月ごろ朝日新聞に掲載された「勝手に関西遺産」の「すかたん」という記事をコピーしたものを資料としてつけたりした。
 その中で河合真美江さんという記者の方が「すかたん」の例として「フーテンの寅さんとかどう? 関西人じゃないけれど、いつも一生懸命で、だけど独り相撲で。しおれて帰ると、しゃあないなと笑って許される」と書いたはった。
 ん? と中学生たちに説明している時に思うた。
 寅さんは、半分関西人やないんかいな。「続・男はつらいよ」で寅さんが訪ねた実母はミヤコ蝶々さんやった。蝶々さんは映画でもちゃんと大阪弁でしゃべってはったぞ。ということは、寅さんには関西人の血が流れているということになる。純然たる江戸っ子というイメージがありがちな寅さんやけれど、ほんまは違うのです。
 もっとも、ミヤコ蝶々さんは東京生まれ(小伝馬町やそうです)ですけどね。映画の設定ではどうなんか知らんけれど、ややこしい話であります。
 まあとにかく寅さんがすかたんしても憎まれへんのは、関西人の血が流れているから……ということなんかなあ。

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アメリカ文化を知る映画 [映画]

 文化祭明けの生徒たちはなんとなくやる気もなさそうな感じ。特に1年生は初めての高校の文化祭で張り切ったのか、6時間目など注意散漫も甚だしい。こっちがテンションをあげてもなかなか乗ってくれんのだから。つくづく授業は生き物と再確認。
 同僚が緊急事態で帰宅することになり、外国文化に関する授業の自習課題を用意するのに困っていたので、私の手持ちの映画「フィールド・オブ・ドリームス」のDVDを渡す。この映画を見てアメリカ文化について知ったことをまとめなさい、みたいな課題を出すことにする。「どんなことがあっても、アメリカには野球があった」というようなことしかわからんかもしれんけれど、わかる生徒にはわかってもらえると信じたい。というか、手持ちのDVDで科目の内容に適したものが他になかったのよね。大阪がらみの邦画はいろいろ取り揃えているんやけれどねえ。
 帰宅後、日本シリーズを見る。完敗。相手はパ・リーグの優勝チームで、しかも優勝のキーマンとなった大隣が先発やから、嫌な予感はしていたんやけれど、的中したなあ。明日はドラゴンズから移籍の中田が先発。かつては苦手にしていたけれど、近年は打ち崩していた。明日はなんとなくいけそうな感じがするぞ。

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宮崎駿の引退 [映画]

 愛すれどTigers「嗚呼、東京ドーム3連敗で燃え尽きる」を更新しました。

 今朝の日刊スポーツの一面、そして朝日新聞の一面も「宮崎駿監督引退」のニュースがでかでかと載っていた。いやあ、なんというか、国民的アニメ監督なんやなあ。私のように幼少時から(その名を意識してたわけやなくても)宮崎監督のかかわってきたアニメーションで育ってきた者にとっては感無量というのか。
 小学1年生くらいに、母に連れて行ってもろうた「太陽の王子ホルスの大冒険」は、幼心に強く印象づけられた。その前に見に行った「アンデルセン物語」よりも迫力があって、最後に岩男が氷マンモスを倒すシーンとか、ホルスが迷いの森から脱出するシーンとか、忘れられん場面が多かった。テレビで夏休みに放送されることも多く、そのたびに何度も見直したものです。そして「長靴をはいた猫」。徹底した追っかけシーンでは手に汗を握ってみた。「どうぶつ宝島」。こちらもとにかくギャグ満載。その間にはさまって上映された「ちびっ子レミと名犬カビ」や「アリババと40匹の盗賊」がいまひとつ見てて乗っていけなかったので、作り手によって面白さに違いが出るということを子どもながら知っていったというわけ。
 むろん「アルプスの少女ハイジ」をはじめとするカルピス劇場は夢中になって見たし、「未来少年コナン」で“宮崎駿”という名をついに認識した。そしてホルスなど、幼い頃に私の胸をわくわくさせた作品に同じ人が深くかかわっていたことを知ったのでありました。
 よほど好きな人やないと「駿」を「はやお」と読まれなんだ「ルパン三世カリオストロの城」。初日に友だちと一緒に並んで見に行ったなあ。
 世間の人たちにとっては「スタジオジブリ」の宮崎監督なんやろうけれど、私にとっては「ホルス」「長猫」「ど宝」「コナン」「カリ城」の宮崎さんなのです。国民的映画監督になる前、私の幼少期から青年期に大きな影響を与えてくれたアニメーターなのです。
 引退することよりも、その引退がこんなに大騒ぎになるという、そのことが私にとっては驚きやったねえ。

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時代考証と喫煙 [映画]

 宮崎駿監督の新作アニメ「風立ちぬ」に禁煙学会がクレームをつけたとか。喫煙シーンが多い上に病気の妻のそばで喫煙をしているシーンもあり、青少年に悪影響を与えるという抗議やそうです。
 そうかてなあ、分煙どうのこうのというようになったのはここ20年ほどのことで、1980年代から90年代前半くらいまでは会議中に煙草を吸っていたり、職員室でもごく普通に自分の席で吸っていたりしてたよなあ。私の高校時代の担任の先生なんか、缶ピースを職員室の席に置いて生徒の前でチェーンスモーキングしてましたよ。それが良いか悪いかは別として、そういうことが当たり前に行われていた時代やったということ。1960年代の映画やドラマを見てごらんなさい。登場人物が至る所でくわえ煙草をしていたり、「よーし仕事だ」とかいいながらまず煙草に火をつけたりしているよ。
 確かに現在の者から見たら(特に禁煙学会の方々にとっては)噴飯ものかもしれん。それでも、時代考証ということを考えたら、その時代に分煙したり喫煙者が一人もいてなんだりしたら、その方がおかしいということになるのやないかなあ。
 宮崎監督は別に青少年に喫煙を推奨しているわけでなく、その時代のリアリティということを考えて喫煙シーンを入れているんやと思う。それは作品として見た時に、青少年たちも理解してくれるんやないかな。
 以前朝のテレビ小説「カーネーション」で一番違和感を覚えたのが、喫煙している人が一人もいてなんだことですわ。戦前戦中の成年男子がすべて煙草を口にしてへんというのは、私から見たら奇異に感じられたんやけど、こんなところまで自主規制せんならんというのは嫌な時代になったなあと思うた記憶がある。
 私は「風立ちぬ」はまだ見てへんけれど、もしテレビ放送をする時に喫煙シーンをすべてカットしてしまうような行き過ぎたことをするようなことがあるとすれば、それは映像表現への過度な介入やないかと思う。そんなことを言うていたら、ミステリは殺人シーンが多く青少年に悪影響を与えるやとか、時代劇で刀をさしているのは銃刀法違反者を増価させる悪影響があるとか、なんとでも文句をつけることはできるのね。
 大河ドラマなんかちょっとしたことでも「時代考証がおかしい」と文句をつけられるのに、時代考証をちゃんとしている作品に現代的視点で文句をつけるのはなにかおかしいと思うが、如何。

 8月18日(日)は「たちよみの会」例会です。多数のご参加をお待ちしています。

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中井貴一の大阪弁 [映画]

 ゴールデンウィーク、という実感のない日曜日。いつもの日曜と同じように朝起きてすぐにいつものテレビを見、昼食後午睡をし、夕刻起きてきて追っかけ録画のタイガースの試合を見、HDDレコーダーの録画残量が少なくなってきたので、まだ見てなんだ映画「プリンセス・トヨトミ」を見る。夕食後は録画してあった時代劇「必殺仕事人」を見たりなんかして、パソコンに向かう。ほら、いつもの日曜日と何ら変わりがない。
 ところで、「プリンセス・トヨトミ」やけれど、父と子のきずなを描くというのが主眼目の映画になっていて、大阪を舞台にする必然性というか面白さがなかったのが残念。地下に400年大阪国というものがあるという設定の面白さが生かせるような脚本になっていたらなあと思う。大阪出身の堤真一に大阪弁をしゃべらせるとかさ。
 それにしても中井貴一はますます大阪弁が自然に出るようになってきたなあ。「お引っ越し」「寝ずの番」と、彼が大阪弁の役をやるたびに思う。ネイティヴの大阪人と言われても誰も疑わんのと違うかな。「プリンセス・トヨトミ」役の子役の女の子の方が大阪弁が不自然やったぞ。あかんがな。

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高校生とモノクロ映像 [映画]

 高校生相手に授業で古い映像を見せたりすると、一様に拒否反応を示すことがある。
 モノクロの映像に対してですわ。
 感想を書かせたのを読んでいると、「白黒の画面が見にくかった」ということを書く生徒がけっこういてる。「白黒だと古く感じる」というのもある。まあほんまに古いんやけどね。
 よう考えたら、今の高校生たちが物心ついた時には、アニメもすでにデジタルペイントの時代に入っているのであった。実写では、同じカラーでもフィルム撮りの陰影のほどよくぼやけたものではなく、輪郭がくっきりと写るデジタルビデオで撮られたものを見て育ってるんでありますね。
 モノクロの映画には、カラーにはない美しさがある、なんてことを感じてもらえんものかなあと思うんやけれど。たぶん映画が好きな生徒やったら抵抗なく見ているんやろう。ただ、私の授業を選択している生徒たちには特にそういうマニアックな映画好きみたいな者はいてへんみたいでね。
 これが一般的な高校生の反応やとしたら、ちょっと寂しいものがあるなあ。名画鑑賞会というような行事を月に一度作り、「ローマの休日」やとか「七人の侍」なんて映画を見せるとか、そういうことをしてみたいなあ。まず無理とはわかってるけどね。

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借りぐらしのアリエッティ [映画]

 どうも心にゆとりのない一日。これが週の半ばやったらまあ耐えられるんですけれどね。週末やとどうにも疲れが先に立って集中力が途切れる。明日は休日営業。そう思うとよけいにきついなあ。来週の木曜日が代休なので、そこまではなんとかもたせないとね。
 で、夜はテレビで「借りぐらしのアリエッティ」を見る。これは劇場で見るべきやったかなあ。いくら液晶テレビで画面がいささか大きくなったとはいえ、劇場のスクリーンに投影されているのとでは大きく違うからね。
 公開当時それほど騒がれてなかったような気がしていたけれど、これはなかなかの秀作。家の床下に住む小人たちの生活が細やかに描かれていて、さらにアリエッティと少年の交流に不自然さがない。このタイプのファンタジィに必要なのはリアリティでありまして、あり得ないものをいかに本当らしく見せるかというところで手を抜くと、見ててつらくなってしまう。
 これがスタジオジブリの底力やねんなあ。物語の展開もスムーズで無駄がなく、ええ感じでまとまっていた。過剰さのないところによさのある映画、というところやと感じたね。
 これで明日完全休養ができたらなあ。夜は夜で「日本芸能再発見の会」が久々にありますしねえ。
 てなわけで、明日の更新はお休み。次回更新は日曜の深夜の予定です。

 12月18日(日)は「たちよみの会」例会です。ご参加をお待ちしています。

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