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ホームズで笑顔 [教育]

 今日は授業はひとコマだけやったけれど、内科検診の廊下整理役やの職員会議資料印刷やの職員会議で報告したりのと一日やっぱり働き詰め。
 保健室登校をしている一年生の女子がいて、私が授業に行くタイミングで「教室に入れるかな」と声をかけようとしたら、彼女は読んでいる本を閉じた。表紙を見たら、ちらりと「緋色」という言葉が見えた。装丁は前任校の図書室にあったものと同じ……そう、シャーロック・ホームズの第一長編「緋色の研究」であります。
 私は先生の顔などどっかにすっとばして「ホームズ好きなん?」と聞いた。「僕は小学生のころからの愛読者でな、文庫も何種類か持ってたりして……」と一方的に話をしはじめたら、それまで見せたことのないような明るい表情で「私、この訳のが一番好きなんです」と言う。おそらく学級文庫や図書館などで複数のリライトを読み分けたりなんかしてたんでしょうな。
 まあさすがに「力士探偵シャーロック山」の話なんかはしませんでしたが、短時間でも、好きなものについて話すきっかけができた。
「先生、また話してください」
 このまま教室に入れずに学校からフェイドアウトしてしまうかも、という薄い感じの子と言う印象が、すっかり変わった。私が彼女のクラスの社会科を担当していて話しやすかったというのもあったかもしれんけれど、もしこれがきっかけで教室に入って授業を受けるとが少しでもでき、ちゃんと卒業までできるということにでもなれば、私の趣味嗜好が多少は役に立つのかもしれんと思うと、ちょっとばかり元気が出てきたよ。
 そうかあ、こういう笑顔のできる子やったんかあ。
 これまで漫研の生徒や一部のオタ男子と趣味の分野で会話が弾むことはあったけれど、ういうケースは私も初めて。
 うー、この子の卒業と私の定年と同じ年になるやないですか。転勤でけへんぞ、これ。それはそれできついのではありますが。

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