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知将 岡田彰布 [読書全般]

 今日は建国記念の日。例によって産経新聞の社説(主張)は「愛国心」を強調する文章を掲載してます。神武東征って、解釈次第では朝鮮半島から敗北してきた人々が日本列島にやってきて、もともと住んでいた人たちを征服して王朝をたてた、ということにもなる。つまり産経新聞は解釈次第では侵略者のたてた王朝をあがめる反日主義を社説とする新聞、と読めなくもない。文献に頼った「愛国心」なんてそんなものです。自然や文化、風土を愛するという意味での「愛国心」なら私にもあるけれど、「国家」を愛することを強要されたくはないなあ。
 それはそれとして、今日も今日とてテレビと布団の日々。春場所のチケットを発券して貰おうと思うていたけれど、明日でもええか。
 友人とLINEでクラシックについて楽しくやりとり。長い間顔を合わせてへんけれど、クラオタの雑談をする相手がいてへんので、昔毎週末通っていたクラシックファンの集うスナック「ショパン」を思い出す。
 そんなことをしながら、夕食後は読書。
 内田雅也「知将 岡田彰布」(ビジネス社)読了。著者はスポーツニッポンの編集委員で、私とは同い年。野球に関する連載コラム「内田雅也の追球」は読書家でもある著者の深い洞察で読ませる。できたら「追球」をまとめたものも出してもらいたいけれど、本書は書き下ろしの岡田監督論。岡田監督の口から出た言葉をとりあげ、そこから話を広げていく。タイガースを長年追い続けてきた著者ならではの深い洞察が本書にもよくあらわれていて、単なる優勝便乗本やないと思わせる。それやったらもっと早いタイミングで出版しているはず。それが年を越してからの出版になったということは、著者がじっくりと「岡田彰布」という野球人について考察していたからやと思う。少しばかり岡田びいきが過ぎるという気もするけれど、優勝のご祝儀ということでの出版なんやろうからそこは割り引いて読んだ方がええやろう。とはいえ、岡田監督の「普通にやれ」「負けてもええよ」「みんなで」「現場が一番よ」などの言葉から野球という競技の妙味を引き出していく筆致には、著者のファンとしてはこたえられん一冊になっている。関係者にインタビューして手記のようにまとめただけの便乗本とは一味違う「優勝記念本」ですねえ。

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