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高畑勲の死 [追悼]

 週明けから新学期。その準備に追われる。天候は一日ほとんど雨。帰路にはかなり強く降っていたこともあり、帰宅してからはごろごろしながらプロ野球中継を追っかけ再生で見る。大阪は雨やったけれど、球場は京セラドームなんで関係なし。タイガースは連勝ストップ。明日からまた連勝してくれたらよいのです。
 アニメーション監督高畑勲さんの訃報 に接する。享年82。死因は肺癌。
 まだ小学校に入る前から、母は私を「東映まんがまつり」に連れていってくれた。私の記憶ではたぶん「アンデルセン物語」から「アリババと80匹の盗賊」くらいまでは毎年夏休みと春休みに当時河原町三条にあった「京劇」という東映直営の映画館に連れていってもろうていたと思う。
 「アンデルセン物語」は退屈やったという記憶があったけれど、次に連れていってくれた「太陽の王子 ホルスの大冒険」は子ども心にも凄く夢中になって見たという覚えがある。この映画は小学校に入学した時に学校の講堂での「映画鑑賞会」でもう一度見ることができた。担任の先生に、この映画がどんなに面白いかと語ったんやなかったかなあ。
 カットされてはいたけれど、夏休みにテレビで放送されると必ず見た。高校入学後はおがわさとしさんたちといっしょに上映会に見に行ったりもした。なにしろホームビデオなんてない時代やから、見られる機会を逃したくなかったのです。「長ぐつをはいた猫」「どうぶつ宝島」も同様。この3本を幼い時にリアルタイムで見られたのは幸せなことやったと思う。
 テレビでは友だちが「宇宙戦艦ヤマト」に夢中になっている時に、私は「アルプスの少女ハイジ」を見ていた。そして、「ホルス」も「ハイジ」も高畑勲という人が作った作品やということを知った。「母をたずねて三千里」「赤毛のアン」、そして「じゃりン子チエ」(劇場版、テレビ版とも)。ここらあたりまでが私の好きな高畑作品かなあ。
 スタジオジブリ設立後はアニメーションの楽しさよりも表現を突きつめていくことを優先させている感じがして、特に「おもひでぽろぽろ」はもう「こらあかん」と思うた。テレビで見た「ホーホケキョ となりの山田くん」もいしいひさいちの原作をいかに解体して再構築するかというような作品に仕上がっていたし(むろん高校時代に放送していた「おじゃまんが山田くん」よりは完成度の上では比べものにはならんのやけれど)、「平成狸合戦ぽんぽこ」は面白かったけれど、ラストがどうも私には納得いかんかった。
 とはいえ、宮崎駿さんと組んだ数多くのテレビアニメは手塚漫画や円谷特撮などとともに私の血肉になっているものばかり。ええ歳して毎日何本もアニメを見続けているのは、その魅力を高畑さんや宮崎さんに刷りこまれたからやと、それだけは間違いないと思うている。
 「太陽の王子 ホルスの大冒険」はビデオでもDVDでも買うて手元に保管している。劇場版の「じゃりン子チエ」もDVDを前任校では毎年生徒たちに見せていた。時代を超えて、生徒たちも楽しんで見てくれた。「ホルス」をリアルタイムで見てなんだら、私の感性はまた違うものになっていたかもわからんな。私の中では非常に大きい存在なのですよ。
 高畑さん、ほんまにありがとうございました。
 謹んで哀悼の意を表します。

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