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残酷でない戦争はない [教育]

 一昨日の日記で、私は戦争の残酷さを漫画から学んだと書いたけれど、学ぶ機会があったのは幸いやったと思う。
 というのも、松江市の教育委員会が描写が過激やという理由で学校図書館に置いてある「はだしのゲン」を閉架扱いにするよう市内の小中学校に指示したというニュースを読んだからですわ。
 漫画というのは伝えたいことがあるから、描写が過激になることもある。ただ、意味もなく残酷な描写をしているものならともかく、「はだしのゲン」という漫画は戦争の残酷さというものを表現するためにあえて過激とも取れる描写をしているわけで、それは子どもであっても読んだらわかりますよ。
 読売新聞のサイトにによると“古川康徳・副教育長は「立派な作品だが、表現が教育上、不適切。平和学習に使う場合は教員が解説を加えるべきだ」としている”そうな。
 共同通信やと副教育長のニュアンスが変わる。“作品自体は高い価値があると思う。ただ発達段階の子供にとって、一部の表現が適切かどうかは疑問が残る部分がある”やそうです。
 戦争とは残酷なものです。日本軍の兵隊がアジアの民間人を殺す場面が不適当というなら、「私は貝になりたい」というドラマで捕虜を一般兵士につき殺させて人を殺すことに対して鈍感にさせていくという描写も不適当ということになる。
 残酷でない戦争はないし、著者の中沢啓司さんは自分で見たり聞いたりしたことをそのまま漫画という手段で伝えたかった。しかも、それは大人に対してやなく、子どもに対して。「はだしのゲン」が最初に連載されたのは「週刊少年ジャンプ」であります。
 戦争体験が風化、もしくは劣化コピーしていく中、その体験を漫画という形で劣化せぬまま体験させてくれる、その機会を奪うことのほうが、「不適切」やと私は思うんやけれど、如何。

 明日8月18日(日)は「たちよみの会」例会です。多数のご参加をお待ちしています。

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