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柴錬「真田十勇士」 [読書全般]

 今日は「全校集会」という名の始業式。まだまだ暑いけれど、前後期制なんで「秋休み」の分だけ夏休みが短いのです。生徒の教室には冷房が入っているからええけれど、教員の準備室にはせいぜい扇風機があるくらい。私の仕事部屋には前任者の残していってくれた扇風機があり、フル稼働させております。
 柴田錬三郎「真田十勇士」全三巻を読了。私が子どもの頃、NHKで放送されていた人形劇の原作なのです。当時全五巻で発行されていたものを三巻にまとめてある。
 実は、人形劇の方はちゃんと見てへんのですね。というのも、その前に放送されていた「新八犬伝」が最高に面白くて、そのノリで見始めたら、放送開始当初は非常に地味な展開やったので、早々に見るのをやめたのです。ナレーターが坂本九さんから酒井広アナウンサーに変わったのも大きかったかな。で、しばらく見てなんで、最後の方に見たらナレーターは熊倉一雄さんにかわっているし、展開も派手になっていて、少しばかり見てすぐに終わったのです。
 で、おっさんになった今、原作を読むと、これが実に奇想天外でおもしろい。山田風太郎から色気と疑似科学的要素を抜いたというようなぶっ飛んだストーリー。同時代の歴史上の人物が入り混じり、これがなんで絶版のままやったのか信じられんくらい。
 ただ、これは子どもにはちょっと難しすぎたかもしれん。もう私らの世代になると、物語に出雲阿国や宮本武蔵や佐々木小次郎や岩見重太郎が出てきても、基礎知識がなかったんで今のように楽しめたかどうか。
 おっさんになった今やったら同時代の人物のからませ方や、十勇士のキャラクターの作り方など、読書経験もそれなりに積んでいるんで絶妙な混ぜ合わせ方にため息をついたりなんかしてしまうのですね。柴錬先生、かなり気合を入れて書いているんやけれど、視聴者層をちょっと見誤ったかなと、現在やから思う。
 当時、ちゃんと見ておいたらよかった。ビデオを上書きしたりしているので、現在は放送素材がほとんど残ってへんのですね(これは「新八犬伝」も同じ)。
 時代伝奇小説のお好きな方にはお薦め。「真田丸」放送中で関連書籍の品切れのない今のうちに買うておいて損はしませんぞ。

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