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パーヴォ・ヤルヴィの第九 [音楽]

 大晦日の夜は今年もN響の「第九」。今年の指揮者はパーヴォ・ヤルヴィ。父であるネーメ・ヤルヴィは、ファンやった方たちには申し訳ないけれど、私の印象ではなんでも録音するけれど、今ひとつ感銘を受ける録音というのがない方であるました。息子のパーヴォの演奏も、それほど聴いているわけやないけれど、特にこれという印象はなかった。
 さて、どんな「第九」に仕上がっているのか。
 とにかくテンポが速い。楽譜でベートーヴェンが指定した速度に忠実に演奏することにしていると、演奏の前のインタビューで答えていたけれど、ほんまにそうですね。古楽器オーケストラのベートーヴェンの交響曲はノリントンとかブリュッヘンなどを聴いたけれど、やはり高速演奏やった。
 早くても味があればええんやけれど、ザッハリヒというんですか、意識的に感情をこめずに演奏している感じ。第3楽章も速い速い。速さではシェルヘンの録音があるけれど、あちらは速くて面白い演奏やった。ヤルヴィはここでも特に感情をこめずに振っている感じ。
 さすがに終楽章は合唱が入るので、ソロ歌手が感情をこめて歌うためにそれまでの極力感情を排した楽章とは趣が異なっていたけれどね。
 こういうタイプの演奏が好きな方には好演やったかもしれんけれど、私はどちらかというと指揮者の個性を色濃く出すような演奏の方が好きなんで、ちょっと乗り切れない第九でありました。ただ、演奏としては決して悪くはなかった。要は指揮者の解釈を好むかどうか、というところですね。
 というわけで、今年もテレビ東京の「ジルヴェスター・コンサート」のカウントダウン演奏を聴いてから寝ることにします。
 今年もご愛読ありがとうございました。来年も引き続きごひいきのほど、よろしくお願いいたします。よいお年をお迎えください。