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もっとも古い記憶 [日常生活]

 なんとか気力を奮い立たせて乗り切った感じの一日。
 今年の「総合」の授業では「キャリア教育」をメインに置くことにしているんやけれど、ありきたりな「職業教育」では生徒も私もつまらんやろうと思い、いろいろと工夫を重ねる。
 まずは「自分の歴史を作ろう」と題して、過去の自分の振り返りと、未来の自分の予測というか夢を考えさせて、年表を作るというもの。前任校でやった教材を加工して、より楽しくできるように工夫している。
 で、生徒に書かせるためにはまず自分からということで、例えば「もっとも古い記憶はなに?」という質問では、私自身の記憶を伝える。
 私のおそらく一番古い記憶は、2歳くらいの頃やと思うけれど、父方の祖母が私を寝かしつけるのに歌うてくれた歌ですね。私を負ぶいながら、少し調子の外れかけた高い声で子守歌を歌うてくれた。その子守歌はなぜか「金太郎」なのですね、必ず。あれはなんでなんか、今となっては知りようもないけれど。
 親に聞いたところでは、私はその時分まわらない舌で祖母のことを「きんたろうばあちゃん」と呼んでいたそうな。
 その甲高く、かつ微妙に外れた調子は今でも私の頭の中で再生できる。広く大きかった背中の感触も、かすかに思いだせる。
 まあこんな調子で、落ち着きのなかった小学生時代、スポーツアナ(特にABC植草アナ)に憧れた中学生時代、告白してふられて枕をどぼどぼに濡らした高校時代の話なんかをしていたら、糸がつながるようにいろんなことが思いだされてくるのですね。嫌なことも何もかも含めて。忘れていたようなこともかなりあったけれど、脳みその奥から出てくるのですよ。おもろいもんやなあ、人間の記憶というのは。
 生徒たちもけっこう楽しみながら「自分史年表」を作ってくれていた。長いスパンでライフサイクルを考えるという経験が、今後に生きてくれることを望むばかり。

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