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引き継ぎのポイント [日常生活]

 今日は出勤日。お山の学校では明日から1年生と2年生の年度末考査が始まるので、本日で授業が終わる。ただし、時間割の関係で私はもうすでに月曜日に終了しているので、今日は完全な空き日。ずっとパソコンに向かいこつこつと事務作業をする。
 成績を出すためのエクセルの表に、エンマ帳に記入してあるこれまでの平常点の数字を入力していく作業なんやけれど、プリント一枚一枚につけた点数を人数分ひたすら打ちこんでいくという細かい作業で、かなり集中力が必要。ときおり手と目を休め、伸びをしたりコーヒーを飲んだりと休憩をはさまんと集中力が続かん。
 なんとか午前中にはすませたけれど、思いのほか時間がかかった。そやけど、この作業を今のうちにしておかんと、すぐに成績を出すことがでけん。世界史の試験は最終日。急いで採点をし、どんどん入力をしていかんと締め切りに間に合わん。
 しかもその間に入試業務も入ってくるので、試験の採点も一気呵成にというわけにはいかんやろう。何事においても準備は必要。生徒の進級にも関わる作業なんで、細心の注意が必要になってくるしね。時間に余裕のある時に準備をすましておかんとね。
 午後は奨学金関係の引き継ぎができるように、進路指導部長にレクチャー。ただし、これは毎年必ず細かな変更点があるので、肝心なポイントをピックアップしないと、かなりややこしい業務を全て短時間に引き継いでもらうというわけにはいかん。
 一番のポイントは、日本学生支援機構(JASSO)との連絡方法。一応質問を送るフォームはブラウザにあるんやけれど、実はネットでの質問に対する解答は遅れがち。電話はなかなかつながらん上に下請けの業者が相手なんで要を得ない返答が返ってきたりもする。では、何が一番早いかというと、実はFAXなんです。今は21世紀です。元号も令和に変わっています。それでもFAXでの連絡が主力であるという、ちょっと信じられん状況なんやけれど、おそらく全国の学校からくる問い合わせをさばくには、電子メールよりもペーパーの方がやりやすいんやろうな。
 こういうのは係をしてきた者にしかわからんこと。それをレクチャーするのが一番大事やと思う。マニュアルを読めばわかるというようなことは別に時間を割かんでもええしね。
 明日からは試験監督やら会議やら。特に明日は出席しておかんとあかん大事な会議がある。実は実家に関わることで休みを取りたいことがあるんやけれど、大事なことというのは往々にして重なるもの。仕事を優先するしかないのです。なんともはや。

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性的マイノリティ [新聞]

 今日は定休日。午前中はやはりテレビを見て過ごし、昼食後、スポーツ新聞を読み終わったところでリビングで寝落ち。スポーツ紙を握りしめて倒れている60歳のおっさん……。家の中やからええけれど、街頭で倒れてたらシャレにならん。
 妻に起こされて寝床に移動して午睡。昨日「最後の授業」が終わったので緊張感が切れたのかもしれん。もちろん、2年生の試験の準備やら成績の計算やら、やらんならんことはまだまだあるし、入試の準備もある。気を抜いてはいられん。
 夕刻起きてきて、社説のダウンロードなど。各紙、昨日から今日にかけて首相秘書官のLGBTsに対する差別発言についてそれぞれが触れている。差別発言は断固として反対、という論調のものが多いけれど、首相自体に差別を許す考え方があるのではと指摘する新聞もあれば、首相と首相周辺に緊張感がないと指摘する新聞もある。前者は国会での首相の答弁も問題にしていて、後者は差別発言そのものよりも、それを口にしてしまうことに対する批判、といろいろな視点があって興味深い。
 私はお山の学校では人権担当を何年か続けてやっていて、総合的な学習の授業で「性的マイノリティ」について毎年とりあげていた。

 こういう動画をネットで見つけて、私が授業の担当をしていた間は毎年必ず見せていた。長い間教員をしていると、担任しているクラスにゲイの生徒がいたり、教えている生徒にトランスジェンダーの生徒がいたりした。それはカミングアウトして理解が得られた幸運な生徒たちで、カミングアウトでけんで苦しんでいる生徒も少なからずいてるはず。首相秘書官たる者がオフレコとはいえ性的マイノリティに対して差別感をあらわにするのは無神経というかお勉強はできて仕事の効率は良くても、お脳は弱い人らしい。
 私は一応性的マジョリティに属していて、マイノリティの人たちの苦しみはわからんけれど、高校時代には「高校生になってもまだテレビアニメを見ている変な奴」やった。今でこそ大人がアニメについて熱く語っても変人扱いされんけれど、40年ほど前はマイノリティやったのです。「おたく」やの「リア充」やのといった便利な言葉のない時代でした。
 むろんこれは趣味の問題やし、同好の士もいてたから、苦しんだりはしてへんけれど、少数派やという意識はあったな。
 現在の生徒たちは同調圧力に苦しんだりする一方、個としての差異というものが認められてはいる時代に生きている。そういう時代の人権教育についてあれこれ悩みつつ実践してきた身としては、今回の発言をした秘書官に対しては「思うていてもええけど、口にする時は気をつけなさい」としか言いようがない。
 これを機に人権問題について意識が高まればええんやないかと思うた次第ですが、如何。

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最後の授業 [教育]

 今日は出勤日。5時間連続授業やった「魔の月曜日」も3年生の授業が終了したおかげで2コマのみとなりました。もっとも、3年生の授業の最終の評価を出し、職場のイントラネットの成績処理プログラムに入力し、一覧表をプリントアウトし、教務に提出するという一番大事な作業が残っている。特に現代社会のように複数の教員で担当している科目については、不公平にならんように平均点を一定の範囲内に揃えんならんという非常に難しい作業があり、エクセルの計算式を少しいじってなんとか調整。この調整で生徒個人の評価が上下したりしないように配慮もせんならん。この作業はじっくり時間をかけて行う。
 また、2年生の世界史の授業は今日が最終日。授業日はまだ続くんやけれど、時間割の関係で、私は早々と終わることとなった。これがお山の学校での最後の授業になるのかどうかはまだわからんけれど、そうなる可能性はある。「最後の授業」やからというて「フランス万歳」と黒板にでかでかと書いたりはしませんが。ただ、試験範囲にはアルザス・ロレーヌ地方をめぐる独仏関係も入っているのですね。なんのこっちゃわからん人は「ドーデ 最後の授業」で検索してみましょう。それはともかく、お山の学校では前任校との生徒の質が違うんで、この8年間はかなり苦労した。それなりに合わせることができるようになったけれど、また別な学校で再任用されたら、そこの生徒の質に合わせんならん。現任校の生徒に慣れてしもうているだけに、またいろいろと手探りをせんならんことになるやろうけれど、通勤時間が短くなってくれるんやったら、それくらいはどうということはないよ。まあ、これは3月にならんとわからんことなんで、今はとにかく今年度の授業が終了したということで一段落ついたと考えておくにとどめましょう。
 放課後は未提出の書類作成。先週金曜日が締めきりやったけれど、定休日で出せず、その前日の木曜日は3年生の成績算出でいっぱいいっぱい。授業は減ってもやることはみっちりとつまっている。
 定時に退出し、帰宅後は社説のダウンロードや読書など。夕食後も今日は寝落ちせず、読書やらスマホをいじったりやらして過ごす。さあ、また「新・平家」に戻ったぞ。1冊別な本を読むと、気分もリフレッシュ。ぼちぼちと読み進めていくこととしましょう。

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コミカライズ魂 [読書全般]

 今日は完全休養日。午前中から昼食後にかけて録画した番組をどんどん見ていく。先々週と先週の「舞いあがれ!」も一気に見てしまう。せっかくパイロットの資格をとったのに、亡き父の工場の仕事に専念する舞ちゃん。何やってんねんと思いながら見ていたら、父の悲願やった「飛行機の部品」の試作に成功して当面の目標を達成してしまい、何やら気が抜けた様子。そろそろ空に舞いあがってや、ほんま。と思うたら、お兄ちゃんが何やら不穏な様子。いつになったら舞いあがれることやら。
 午後はしばらく読書をしてから午睡。夕刻起きて社説のダウンロードをしてたら途中で寝落ち。午睡でもちゃんと寝られてへんのかな。
 夕食後、読書の続き。一気に読了してしまう。「新・平家物語」を読むのがしんどくなってきていた反動かな。明日からまた「新・平家」の続きを読もう。
 すがやみつる「コミカライズ魂 『仮面ライダー』に始まる児童マンガ史」(河出新書)読了。マンガの入り口が学習雑誌やったりした人もいてると思う。私はたぶん「よいこ」に載っていた幼児向けのマンガが入り口なんやろうと思う。いやまあその前に「テレビまんが」と呼ばれていた「鉄腕アトム」やら「おばけのQ太郎」、「トムとジェリー」などが原体験としてあるとは思うけれど。「三つ子の魂百まで」というが、60になってもテレビアニメを見続けているのはその原体験からか。
 で、児童向けの雑誌には、昔からテレビ放送中のアニメや特撮をマンガ化した作品がようけあり、もともとの原作マンガよりもそちらを先に読んでたという人もいてるんやないか。私の小学生時代、石森章太郎作品の児童向けマンガ化は「石森プロ」の若手たちが手掛けていた。その中でも特に名前をよく見たのが本書の著者のすがやみつるさん。私は土山よしきさんや細井雄二さんの絵のタッチの方が石森原作に近く、またうまかったんで、すがやさんが多用されているのが不思議でならなんだ。石森タッチからは程遠い泥臭さで、同じものなら土山さんや細井さんの作画で読みたかった。「6年の科学」に掲載されていた「アスガードセブン」という石森さん原案の学習マンガは、すがやみつるさんの作画やった。一つ下の妻は「5年の科学」で読んでおり、作画は別の人やったそうで、羨ましいという話をしたこともある。
 なんでそんなにすがやさんが重宝されたかというと、本書によるととにかく枚数をかけるということと、オリジナルなアイデアを盛りこんで面白くすることができたからという。アメコミを参考にした構図やら、後にテレビの「仮面ライダー」にアイデアを流用されたくらいのオリジナリティがあったんやそうな。ただ、この時代、テレビ番組のマンガ化は駆け出しのマンガ家か一線から退いたベテランがするものと見られていて、著者もとにかく依頼があればすぐに受けて描き飛ばしており、自分が手がけた作品について忘れていたものも多かったという。ただ、そういったコミカライズ作品のおかげでマンガの楽しさを知った者も数多くいるやろう。ところが、マンガ史を語る上で、抜け落ちているのがこういったコミカライズ作品なんですね。そういう意味では著者の語る「自分史」は本流のマンガ史からこぼれかけているものをすくい上げる貴重なもの。当時のコミカライズ作品を楽しく読んでいた私もその時にはわからなんだことが数多く書かれており、非常に懐かしくも楽しく読めた。著作権の関係から復刊できないものもあるという。本書では石森系のものが中心になっているけれど、しのだひでおさんなど児童向けにカットなどを多数書いていた方のことについても知りたくなってきた。今後、そちらの研究も進むことを期待したい。

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新・平家物語(十二) [読書全般]

 今日は月例の京都の医者行き。往路は準急に乗りそのまま乗り換えずに座っていた。例に寄って午前中たっぷりとテレビの前にはりついていたから、それだけで疲れていたのです。
 待合室はいつもよりも混んでいた。来週の土曜日が祝日で休診なんで、今週予約を入れている人が多かったんやろうか。おかげで席があくまで立って待つことになった。もともとあまり広いフロアやないし、30年ほど前に初めてここで診てもろうた時はそれほど患者さんもいてなんだ。その頃からほとんど内装も変えてはらへんからねえ。思えば長いことここには通うているなあ。
 帰路は特急に乗り、途中で乗り換えて帰阪。帰宅後、少しまたテレビを見てから午睡。夕刻起き、社説のダウンロードなど。夕食後は読書。
 というわけで、吉川英治「新・平家物語(十二)」(講談社吉川英治歴史時代文庫)読了。読み切るまで長くかかり過ぎた。通勤中は雑誌を読んだり、帰宅後は相撲を見たりスマホで遊んだりなんてしていたせいなんですが。この巻くらいから話が重くなってきている。源義経が後白河法皇と源頼朝との間に立って苦しんでいたり、紀伊に行って水軍を手配したりする様子を描くと、今度は屋島に逼塞している平家方の難渋する様子が延々と描かれる。本巻では義経の優れた様子が際立つように描かれ、特に屋島の戦いに向け、嵐の中を淡路島を伝って四国に渡り、急な峠を登り奇襲の準備ができたところまでを細かく丁寧に書く。平家は主力部隊が長門に行ってしまい、非常に手薄になったところを襲われる。その落魄ぶりは、ことさら悲惨に描いているわけではないのに、あまりにも辛くなってしまう。私は別に源平どちらかに肩入れして読んでいるわけやないけれど、ここまで来るとあとは平家滅亡しかないことはわかってるから、追い詰められた平家の人々につい無事逃げのびてくれと思うくらい。さて、残すところ4巻。一気に、というのはちょっときついので、前にもこの日記に書いたように、小説以外の本を箸休めのように読むことにしよう。
 むかいしの「週刊朝日」の読者は、毎週この話を少しずつ何年にもわたって読み続けていたんか。読書の習慣も、気質も、今とはずいぶん違うてたんやなあなんていらんことまで考えてしもうた。

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平田コーチに期待 [プロ野球]

 今日は定休日。朝は例によって録画した番組を次々と見ていく。昼前に駅前の耳鼻科へ。今週もまた長めに通気してもらう。しばらくはもつんやけれど、夜にはもう耳づまりが始まっている。鼻の調子と連動しているんやろう、鼻づまりがするような時は耳づまりも早くなるように思う。
 帰宅後昼食をとり、もう少しだけアニメを見てから、午睡。夕刻起きてきて社説のダウンロードなど。夕食時にはサンテレビ「熱血! タイガース党」を見る。今週から春季キャンプの模様をレポート。あの暗黒時代でも、キャンプの時期だけは大阪本社のスポーツ紙はまるで優勝できるかのような報道をしてたもんやけれど、今季の場合、岡田監督就任以来、今季の優勝はもう間違いないというくらいの書きよう。4年連続Aクラスという実績に加え、戦力がそろってきたところで岡田監督という手堅く勝つ野球の実践者が采配をふるうたらもう負けるはずがないということらしい。
 それはそれで楽しみではあるけれど、私は前任の矢野監督のしてきた功績まで拭い去られるようなのはどうかなと思うている。戦力がそろっているということは、矢野監督が若い選手にチャンスを与え、自信をつけさせて育成してきたということなんやから、そこを無視してしまうのはどうよ、と思うのです。開幕9連敗という最悪のスタートを切りながら、最終的にAクラスにまでもっていったのは矢野前監督が常にポジティブ思考やったからで、最も勝率が低かった時期にも途中休養とかいう形でチームを投げ出さなんだのも波の監督にはでけんことやと思う。
 私は今季の岡田監督には実はさほど期待してへんのです。10年も外から見る側に立っていて、現場から離れていたわけで、それが一番気になる。そやから、今のチームの選手たちを一番知っている平田コーチの手腕には期待している。なにしろこの4年間、二軍監督として若手選手を育成してきたわけやからね。しかも引退後、現場を離れていたのは解説者をした1年だけ。星野監督のもとでは監督付き広報担当をしていて、マスコミ対応も熟知している。二軍監督としてもチームを優勝に導いてきた。コーチとして、さまざまな監督のやり方を見てきている。近鉄バファローズがずっと三塁ベースコーチをし続けてきた仰木さんを監督にしたら予想外にも名監督になったという過去を踏まえて、私はやはり平田さんに監督をしてもらいたかったけれど、まあそれは仕方ない。そのかわり、星野監督の時の島野コーチのように、優勝の影に平田あり、という感じでチームを支えていってほしいのです。
 というわけで、このオフはタイガースについてはなるべく書かんようにしていたけれど、やはり春季キャンプ開幕となると、早くシーズンが始まらんかなとわくわくしてくるのであります。
 夕食後はついついスマホで遊んでしまう。いかんなあ。

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風刺の笑いの行方 [演芸]

 本日は出勤日。昨日書いた「独裁者」を別のクラスの授業で見せたけれど、返ってきた感想を読んだら、昨日のクラスの生徒ほどの手ごたえはなし。それどころか、さんざん説明したのに最後のチャップリンの床屋の演説も独裁者ヒンケルの演説やと思うている生徒が何人もいててがっくり。私の説明不足もあるのかと思うたけれど、どうも「風刺の笑い」というものがようわからん生徒が少なからずいてるような感じがする。
 テレビが自粛か忖度かなんか知らんけれどとにかく「毒」とか「牙」を失うていたりすることと関係があるのかもしれん。昨年の「M-1グランプリ」の勝者ウエストランドの漫才が「毒舌漫才」と話題になったけれど、今はあの程度で「毒舌」というのかといささか驚いたのを思い出した。全盛時のツービートや紳助竜介の漫才なんかあんなもんやなかったもんなあ。「風刺の笑い」というものの行方が見失われていくような、そんな感覚に陥ったのでありました。
 というわけで、こちらの意図が伝わりきらなんだ時ほどしんどいことはない。まあ私にその力量がなかったということもあるのかもしれんけれど、昨日のクラスの生徒の感想では手ごたえを感じていただけに、よけいにこたえた。
 そのあとは3年生の成績つけに没頭。考査の採点の続きや、まだ評価をつけてなんだプリント類に評価をつけたりしてからエンマ帳に転記し、エクセルの表に数値を入れ、計算式を調整し、とりあえず単位を落とした生徒の有無を確認。明日、社会科の教員だけの打ち合わせがあり、そこで単位を落とした生徒の確認をせんならんのやけれど、私は定休日なんで出られんから、資料をこしらえてほかの先生に託さなならん。昨年末、進路指導室がぼっち部屋になってても休まずに作業をしてあったんで、就業時間内に全ての作業を終え、定時に退出することができた。
 今日も寒く、頭を使うてくたくたになったところへ今度は体力を消耗させる寒風が吹く。帰宅後、しばらくダウン。佑祝後、寝床で社説のダウンロードなどをし終えたところでついに寝落ち。それくらい力を出し切ったということですかね。ああしんどかった。

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今こそ聞きたいチャップリンの心の叫び [映画]

 今日は出勤日。2時間目は先週の大寒波の日に休校で1日ずれた3年生の考査があり、その試験監督。午前中は提出されたプリントの評価をつけたりし、午後からは考査の採点にとりかかる。
 6時間目は2年生の世界史。試験範囲には先週に届いたので、今日は「映像の世紀」のヒトラーの演説と「チャップリンの独裁者」のヒンケルの演説と地球儀のダンス、そして最後のチャップリンの心の叫びともいえる床屋の演説の場面を見せる。
 映画の構成から言うと、床屋の演説は決してうまい終わり方やないかもしれんけれど、「独裁者のための機械になるな!」というあの演説抜きでは「独裁者」は成り立たん。永遠不変の意味を持つ名演説やと思う。ウクライナ侵攻をやめられんプーチン露大統領や、バイデン米大統領のお墨付きをもらい嬉々として軍拡に走る我が国の総理に、今こそ聞かせたい。
 生徒にはわかりやすいように山寺宏一さんの吹き替えで聞かせているんやけれど、ほんまはチャップリンの肉声で聞かせたい。ただ最近の若者は字幕を追うのが煩わしいと聞くし、お山の学校の生徒たちには特にそういうことが苦手な発達障碍の生徒さんもいてるので、止むを得ない。そやけど、山寺さんもチャップリンに劣らず心のこもった演説を聞かせてくれる。もしかしたら演技やなく地声で台本を読んでいるんやないかと思うくらい。
 そして、その演説を聞くたびに、私の胸の奥から何やらこみあげてきて止まらんようになってしまう。特にここ近年のしんぞう総理の支配下で忖度やのなんやのがはびこり、権力の前に公文書改竄などをするのが当然という役人が横行し、ついにはご本尊がカルト宗教の力を借りてまでも権力維持をし、ついには凶弾に倒れるなんていう現状を見、異世界転移とチート能力に逃避する若者たちが一定数いてる現状を考えたら、なおのこと床屋の演説は私の胸を締めつけるんである。泣きそうになるんである。生徒には見えないように背を向け、ひそかに眼がしらにたまる涙をぬぐい、こみあげる嗚咽を必死で抑えているんである。
 どこか地上波のプライムタイムで「独裁者」をノーカットで放送しようというような放送局はないのかな。私は中学生のころに愛川欽也さんの吹き替えで初めて見て以来、放送があるたびに吹き替えやろうと字幕スーパーやろうと何度も見返し、廉価版のDVDも買い、そしてデジタルリマスター版のブルーレイも買い、生徒に見せ、若いうちに意味はわからんでええから一度でもあの演説を聞かせたいと思うて教材として使用してきた。
 今、NHKEテレの「100分de名著」では非暴力で独裁政権を倒した人々について解説しているけれど、チャップリンはヒトラーという独裁者に対し、「笑い」という手段を用いて抵抗した。戦いの愚かさを笑い飛ばした。そしてラストシーンでは心から主張した。「名著」やないけれど、しかるべき方が「100分de名著」でとりあげてくれんかなと思う。一番ええのは亡くなった淀川長治さんやないかと思うけれど、今やったらコメディアンとしてチャップリンの自宅まで押し掛けた萩本欽一さんが適任かもしれん。
 放課後は採点の続き。進路指導部の打ち合わせが間に入ったので、すべて採点できず。明日も別のクラスに「独裁者」を見せる予定。その後はずっと空き時間なんで、ひたすら評価をつけることにしよう。
 定時に退出し、夕食後、寝床で休むとたちまち寝落ち。けっこう冷えて体力を消耗したみたいです。

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