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不道徳な人形劇ヒーロー [テレビ全般]

 ここのところデュマの「三銃士」を読んでいて、というような話は昨日書いたけれど、角川文庫版の下巻にさしかかったところで、朝日新聞の夕刊の三谷幸喜さんの連載エッセイを読んでしもうた。
 人形劇で「新・三銃士」というのをするので、三谷さんが脚本を書いている、というのは知ってたけれど、エッセイの中で「ダルタニャンは人妻に恋をする」とはっきり書いてはった。わ、原作に忠実に話を進める気か。ええんかそれで。
 ダルタニャンと三銃士たちはルイ十三世の時代のフランスの近衛銃士という設定で、その自分の騎士の例に漏れずならず者に毛が生えたような輩です。ちゃんとした領地もないので戦に出るのにも借金をして武具や馬具を買い整えたりせんならん。金持ちの奥さんに言い寄って惚れさせて金を引っ張りだしたりする結婚詐欺まがいのことでも平気でやる。主人公のダルタニャンは下宿の大家の若い奥さんに懸想してそのハートを射止めたかと思うと、その奥さんを誘拐させた謎の女に惚れ、その意中の人になるために自分に惚れている謎の女の小間使いを誘惑して利用する。
 なんというか、今の感覚でいうとヒーローというには不道徳すぎるのよね。子ども向けの人形劇の主人公ですぜ、これが。ほんまええんか。ちゃんと人妻に恋する場面も入れるというんやったら、博打ですってんてんになったり民間人を脅したりという場面はどう処理するんかなあ。
 そういう意味ではけっこう楽しみではあるけれどね。痛快活劇であることには違いないんやし。

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直訳調訳文の楽しさ [読書全般]

 ここしばらく「モンテ・クリスト伯」やの「オリバー・ツイスト」やの「三銃士」やのを立て続けに読んでいる。その前に読んだ「赤と黒」は「光文社古典新訳文庫」で読みやすく工夫されていたけれど、それ以外のものは古い訳文をそのまま出し続けているものばかり。
 実は「オリバー・ツイスト」と「三銃士」は角川文庫。この出版社はわざわざ改訳版を出す手間をかけるのが嫌なのか、1960年代から70年代はじめに訳されたものをカバーだけ新しくして出している。実はそれがいい。訳文はもろ直訳調で日本語としてスムーズに頭に入ってこなかったりセリフが大時代的やったりするんやけれど、それがなんというのか「古典」らしさを感じさせてだんだん楽しくなってくる。
 そうやなあ。例えば小学生の時に初めて手に取った文庫は新潮文庫の「シャーロック・ホームズの冒険」やった。延原謙の独特の訳文がそれまで読んでいた子ども向けにリライトされたものとかなり雰囲気の違うものやったから、慣れるのに時間がかかったけれど、慣れてきたらその調子が癖になってきたと記憶している。海外SFの読み始めは古本屋で安くで買えた創元推理文庫やったけれど、あとからハヤカワ文庫で読み返して全く印象が違うたのに驚いたこともある。むろん創元が直訳調でハヤカワの浅倉さんや伊藤さんの訳がなめらかで読みやすくわかりやすいものやったのはいうまでもありません。
 で、おっさんになって逆にそういう直訳調のものを次々と読み、あの頃の気分を思い返したり、大時代的な雰囲気を味わって楽しんだりしてると、そういうわけ。若い読者には新訳文庫を勧めるけれど、読書好きの中高年には古い訳文のものを勧めたい。なんというのか、「必殺仕掛人」と「必殺仕事人2009」くらいの違いがあるという感じなんですわ。こんな例えではわからんか。

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タイガースナインの変化 [プロ野球]

 昨日の阪神タイガース関本選手は、ヒーローインタビューでなんか怒りに震えているような口吻やった。関本選手がサヨナラヒットを放った時、真っ先に飛んでいったのは新井選手やったが、これは非常に珍しい。今日の試合でベンチに座っている矢野選手が映った時、彼は非常に険しい顔をしていた。
 今日の中継の解説の福本豊さんはいつもの饒舌さがなく、珍しく相槌ばかり。新井選手のホームラン談話で「打ててよかった」というのを堀アナウンサーがレポートしたら、「ほんまや……よかった」としみじみとした口調で言うた。何か知ってはるんやないやろうか。
 私らファンにはうかがいしれん何かがベンチの裏で起こってるんやろうか。今週の「週刊現代」では面白おかしくタイガースの記事が書かれていて、そこには「狩野を起用していたのに矢野が戻ってきたら正捕手は矢野に逆戻り」というでたらめ(矢野は安藤と下柳が先発する時だけしか起用されてない)やら新井が「FAで(タイガースに)来なければよかった」と言うてたり、金本が「(真弓監督を)護摩行につれてったろか」と言うてたりしたと親しい記者にもらしたとされてたりする。はて、金本は去年「うちは弱いんや」と叱咤激励した言葉を真逆に解釈された記事が一面に載って以来、記者とは公式に自分の言葉と手記として発表されるもの以外は口をきかんと「週刊現代」が以前報じていたように思うたけれど。まあその程度の記事やけれど、あの記事は関係あるんかな。
 とにかく選手の態度に何か悲壮な決意みたいなものが漂っている。福本さんは何か知っているのか口が重い(有田修三さんはようしゃべってはった。福本さんの分までカバーしているような感じか)。そしてタイガースは2連勝した。
 タイガースに何かが起こっているみたいである。それが何なんか。わからんけれど、オールスターまでの責任感にがんじがらめに縛られた重い空気とは違う、触れれば切れそうなピリピリした雰囲気が漂う。
 それが何なんか、ファンとしてはこれからの試合を見ていきながら感じ取りたい。おそらくその真相はオフシーズンになってから新聞記者によって明らかにされるんやないやろうか。その時を待つことにしよう。

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吉本を敵にまわすか [演芸]

 大阪府知事は言うた。
「吉本興業はがめつい」
 いや、たいていの府民はそんなこととっくに知ってますから。
 こと「ワッハ上方」に関しては、実は吉本はがめつくない。知事が移転を発表した時に、家賃を半額にすると申し出たくらいです。ところが知事はその時それを断った。そして忘れた頃に移転場所をいきなり発表した。そら吉本は怒るよね。
 新聞では賃貸料4億が移転により1億に下がると報道してるけれど、展示室だけ移転してホールや稽古場などの施設は廃止するということやったら、賃貸料1億はぼられ過ぎと違うんかなあ。
 実は「ワッハ上方」は展示室とホールがセットになってるから値打があるんで、それは生きた上方演芸をそのまま多くの人たちに提供するという場になってるわけですね。しかもそこでは落語も漫才も浪花節も講談も俄もすべての演芸が上演される。ものすごく貴重なホールなんやけれど。
 メディアはそこらあたりもきちっと踏まえたうえで報道してほしいなあ。
 それにしても、がめつい吉本がかなり譲歩しているのにそれを蹴って、かつ今回の発言。吉本興業を敵に回すということがタレントとしてどれだけ大変なことか。さすがは知事。なかなかできんことですわ。

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アニメ特番はゴールデンタイムに! [テレビアニメ]

 愛すれどTigers「拙攻また拙攻で連敗ターン」を新規更新しました。

 NHKBSでは「ガンダム宇宙世紀大全」と称して連日「機動戦士ガンダム」のテレビ版からのセレクションや映画を放送する。それはよろしい。それならば深夜1時台に放送するのはやめていただきたい。平常でもダブルチューナーで録画しているのに、深夜に放送されたら予備に使用しているVHSのビデオデッキまで駆使せんとあかんやないか。というか、火曜の深夜なんかもともとトリプルチューナーで録画してるんですぞ。
 NHKBSの編成担当の方は現在の人気アニメの多くが深夜に放送されていることをご存じないのか。もしそうならその程度の認識でアニメの特集なんぞしたらあかんのやないかと思う。は、私の録画の仕方が非常識なのですか。いやまあ録りすぎやとは自分でも思いますが。

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高齢者にはご隠居さんという能がある [時事ネタ]

 大相撲小言場所「名古屋場所をふりかえって~白鵬が琴欧洲の追撃かわす~」を新規更新しました。

 落語には「御隠居さん」が出てきて若い者にいろんなことを教えたり、悠々自適の生活を送っている。若い者はそれなりに御隠居さんに一目置いているけれど、知ったかぶりをしたりして失敗することもある。昔は日本にはそういう風土があったということを落語は示している。
 麻生首相はそういう落語はお聞きにならんらしいな。「高齢者は働くことしか才能がない。80歳を過ぎて遊びを覚えても遅い」そうですから。漫画が好きなんは悪いことやないけれど、日本にはほかにもいっぱい文化がおますねん。小泉元首相みたいにオペラを聴きに行けとは言わんけど、せめて落語くらい楽しむ余裕がほしいですなあ。

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プロ野球ファンと世界陸上 [テレビ全般]

 今日は藤川が登板する予定というのでプロ野球のオールスター第2戦をテレビで見る。
 試合自体は追いつ追われつでホームランも次々と飛び出してなかなかおもしろかった。カメラを大量に設置した中継で、特にホームベースの前の地中に埋め込んだ「もぐらカメラ」からの映像はなかなか迫力があった。
 昔のオールスターの映像を間にはさんだりと、プロ野球ファンに対するサービスもよくできていたけれど、唯一気にいらなんだのは、TBSが放送権を取った「世界陸上ベルリン大会」の宣伝です。解説の衣笠祥雄さんに陸上について話をさせるのはやはり無理があるんやないか。しかも、グランドでは各チームのマスコットが障害物競争をしたりしていてとても楽しそう。私はそっちを見たいですよ。
 世界陸上にむろん興味を持つ人もいてるやろうから、宣伝したらええと思うてます、ほんまに。ただ、プロ野球ファンが全てのスポーツ競技に興味を持っているわけやないから、番組の宣伝をするにしてもそんなにしつこくしなくてもええと思うたね。ましてや画面ではトラッキーやレオやハリー・ホークやネッピーなどの人気マスコットが観客を楽しませているんやからね。そちらを見たいという人もいてるはず。
 一番いらなんだのはドラマ「こち亀」の宣伝ですわ。香取くんの両津がまるで似合うてないのは当然としても、あまりにもつまらなさそうやから、かえって逆効果になったんと違うか。

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「大正野球娘。」の惜しいところ [テレビアニメ]

 この6月に始まった深夜アニメ「大正野球娘。」 は、いろいろとよく調べてあって「大正」という時代の空気を極力再現しようという意思が感じられていて好感が持てる。野球道具も手袋に綿をつめたみたいなぺらぺらのものやったりするし、着物と洋服を着た人の混ざり具合もそれらしくてよい。
 第1話で主人公の女の子が東京案内を「ジョージア・ソング」を歌うてやってたんやけれど、一部私の持っている大正時代のSPを復刻したCDと明らかに節が違うところがあったのは残念やったなあ。「ラメチャンタラギッチョンチョンデパイノパイノパイ」という一番大事なところだけに惜しい。
 何より惜しいのは、今週登場した男子野球部のユニフォームであります。当時は上等のものならネル地、あるいは木綿地を使用し、伸縮性がないのでかなりだぶだぶのものを着用していたはず。これが今のユニフォームみたいにぴっちりとスリムなんです。あと、投手の多くは腕を何回かぶるぶるふりまわしてから投げていたはずで、そこらあたりは現在の野球選手の動きを参照しているから今風の小さなワインドアップを平気でしたりする。これはまあ仕方ないのかな。
 ただ、けっこうていねいに考証しているのに、こと野球の部分でその考証が甘くなったというところがほんまに残念。もっとも、実写ドラマでこれをしたら人の体形そのものが昔と変わってるから、はるかに悲惨なものになっているやろうなあ。そういう意味ではアニメは健闘していると思うよ。

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残った残ったうぉっ! [大相撲]

 昨日白鵬に熱戦の末勝った大関琴光喜が今日は朝青龍にいいところなく負ける。どう見ても朝青龍の方が不調で勝機がありそうなものなんやけど、これが勝負事の面白いところで、やはり合口の悪さというのはあるんやなあ。一時ほんまに琴光喜は朝青龍に何をしても勝たれへんかったからね。それとも昨日の相撲で精も魂も尽き果ててしもうたか。
 これで白鵬と琴欧洲が1敗で並び、勝負は終盤戦に。なんとか千秋楽まで優勝争いを展開してほしいものです。
 ところで幕内格行司の木村和一郎さんは取組中に声をかける時、「残った残った残ったうぇぃっ! 残った残ったうぉっ!」と語尾に必ず「うぉっ」という言葉をつける。リズムを整えているのかな。あれ、なんか気になるんですけど。まさかここを読んでる人に和一郎さんの知り合いとかいてへんやろうな。いてはったらいつでもええんで聞いてください。
 嘘です。失礼な質問ですよねえ。「なんで『うぉっ』とつけるか」なんて。

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日食観測 [時事ネタ]



 今日は皆既日食が観測されるとのことで、大阪でもかなり食の進んだ状態が見られると報道されていた。
 というわけで、11時ごろ、自立支援コースの生徒たちとともに日食の観測をする。あいにくの曇り空。それでも逆にそれが幸いして肉眼で目視できるくらいの明るさやった。もともと晴れているというのを想定して地学の先生から仕入れてきたフィルターも用意してたんですけどね。それを用いたらかなりくっきり見えた。さすがですなあ。
 てなわけで写真は手もとにあった携帯電話のカメラで写したもの。意外にちゃんと撮れたのでびっくりした。
 インフルエンザの休校のせいで夏休みが一週間ずれた勤務校では、生徒たちはまだ授業を受けている。それでも理科の先生に率いられた生徒たちが正門のところまで出て観測していたり、窓から顔を突き出して携帯電話を中にかざしている生徒がいたり。それを教師が注意するわけでもなし。まあめったに見ることができない日食を見たいという知的好奇心の芽を摘むのはよくない。
 それにしても日食を肉眼で目視できるという貴重な体験をした。なんかすごく得した気分でありますね。

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