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水木しげるの死 [追悼]

 愛すれどTigers「2015年度を振り返って」を更新しました。

 今日もコルセットで腰を補強して仕事。テスト前に使用する教材をすべて仕上げ、明日からはテスト作成に取り掛かれるね。
 帰宅し、漫画家、水木しげるさんの訃報 に接する。享年93。死因は多臓器不全。
 私の血肉になったものがまたひとつ去っていった。とはいうても、93歳やから、来るべき時が来たというべきか。
 水木妖怪の最高傑作はネズミ男やろうなあ。半人半妖で、人間のいじましいところをすべて体現した妖怪。なんとも小ずるくけっこうひどい奴やのに、なんか憎めん。死線をくぐりぬけ、人間を透徹した視点で観察してきたやろう水木さんならではのキャラクターやなかったか。
 妖怪の造形も迫力と愛嬌と妖しさがないまぜになった独特の画風で魅せてくれた。歴史ものではヒトラーのキャラクター造形がみごとで、狂気の独裁者を描き切った。
 鬼太郎、三平、悪魔くんといった主役も、すべて何らかの業を背負っていた。単なるスーパーヒーローでは決してなかった。そやから、私らを魅了したんやろう。
 好きやったのは、人をしばくシーンで、ビビビビという擬音と重ねるように描く手の動き。そう、人にしばかれるというのは、あれなんですよ。ごっつ痛いのが伝わってくるビビビビでありました。
 一番好きな作品は、短編の「原始さん」かなあ。巨大な「原始さん」が大都会に現れ、街をみるみるうちにジャングルのように変えていく。あの「原始さん」こそ、南方の戦線で水木さんが見た自然そのものやったんやないやろうか。
 手塚治虫さんの対極にある「貸本漫画」独特の泥臭さとあくの強さで、漫画の可能性を大きく広げた水木さん。いっぱいいろんなものをいただきました。
 謹んで哀悼の意を表します。

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