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ヒト夜の永い夢 [SF]

 昨夜は久しぶりに鼻ポンプをつけずに寝る。朝までぐっすり寝る。でもまだ眠い。それでも今日しておきたかった仕事はなんとか片づける。定時に退散。帰路、医者に寄り、鼻ポンプのデータをもとにいろいろと問診。血圧の薬はまだしばらく続けることに。鼻ポンプもなんとか続けていくことになった。
 帰宅後、追っかけ再生でプロ野球中継を見る。若い左腕投手同士が互いに完封ペースでの投球。結局タイガースは一発に泣く形になったけれど、阪急阪神HDの株主総会に出て「ドラフト2位3位の指名選手を見てよそのスカウトが笑っている」と言うてのけた株主さん、今日投げた高橋遥人はドラフト2位。どこのスカウトが笑うたかしらんけれど、指名した選手すべてがレギュラーになれる世界やないんやからね。毎年頓珍漢なことを言う株主は絶えんなあ。
 柴田勝家「ヒト夜の永い夢」(ハヤカワ文庫JA)読了。あの南方熊楠が粘菌を使うてロボットを作りだすという着想はなかなかのもの。当時の実在の人物を山ほど出し、最後は北一輝と南方熊楠の対決となるなど、おもしろそうな話なんやけれど、意余って力足らずというのか、せっかくのアイデアが生きてきていないように感じた。まあ山田風太郎の明治ものと比べたらあかんとは思うんやけれど、虚実ないまぜにする場合、いかにもありそうでなさそうな絶妙の組み合わせにしなければならない。乱歩と熊楠のとりあわせなんてのも面白いけれど、後半になるとそれらの人物の描き分けができなくなってしまい、物語が破綻してしまう。もっとアイデアを寝かせておいて、熟成するまで待ってもよかったんやないかと思う。そういう意味では残念。それと、夢と多元宇宙をからめるならば、もっとアイデアに説得力をもたさなならんと思う。こちらも意余って力足らず、かなあ。もっと深く掘ることのできる題材なのに、私には薄っぺらく感じられてならなんだ。ところで、これだけの力作にもかかわらず、巻末に一切参考文献を表示していないのはなんでなんやろう。もしかしたらそれほど参考文献にあたらずに書いたのかなあ。どんな文献にあたったのか、どれくらい読みこんだのか。それが知りたい。力作ではあるけれど、傑作にはならなんだ、というのが偽らざる感想。熊楠の評伝をちゃんと読んでみたくなった。

 6月16日(日)は、「たちよみの会」例会です。多数のご参加をお待ちしています。

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