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縛られた巨人、南方熊楠 [読書全般]

 愛すれどTigers「近本、サイクルヒットで球宴MVP!」を更新しました。

 今日は完全休養日。午前中はテレビを友とし、昼食後、午睡。夕刻から録画した相撲中継を見る。1敗で両横綱を追う大関高安が勝ちはしたけれど負傷した模様。今日から豪栄道が休場しているので、この上高安まで休場したら、大関不在の場所となる。高安、心配やなあ。
 夕食後、読書。長いことかかって読んでいた、神坂次郎「縛られた巨人 南方熊楠の生涯」(新潮文庫)読了。以前、この日記で柴田勝家「ヒト夜の永い夢」の感想を書いた時に、熊楠のちゃんとした評伝を読んでみたくなったと書いたけれど、実際に歴史小説家によって綿密な取材と膨大な資料の読みこみの結果浮かび上がってきた熊楠の姿は、なんともいえん厚みと深みがあって、読みごたえは十分。幼少期から、米国、そしてロンドンに留学し、「ネイチャー」誌に論文を発表して注目を浴びながらも、弟夫妻との不和や愛息の発狂など、生涯赤貧に甘んじた熊楠の生のクライマックスを、昭和天皇への進講というところにもってきている。神社合祀令への反対運動など、激烈な性情をしているのかと思うと、実は酒の力を借りなければならない弱い面も見せる。本書を読んでしまうと、「ヒト夜の永い夢」で描かれる熊楠像が薄っぺらく感じられる。神坂氏と柴田氏の熊楠への思い入れの違い、とでもいうのか。素材をじっくり熟成させた作品となまにえのまま出してしまった作品の違いというのか。ただ、柴田氏の小説を読まなんだら本書を手に取る気にはならなんだはずなので、それはそれでよかったのですが。

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