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ベルリン1945 はじめての春 [読書全般]

 愛すれどTigers「西勇輝、ジャイアンツ打線に二塁踏ませず連続完封」を更新しました。

 今朝はたっぷりと寝てから、土曜の朝に見られなんだ深夜アニメを何本か見て、パソコンに向かい、少しかきもの。昼食後は読書と午睡。ゆっくりと休むことができたし、疲れが相当たまっていたこともようわかった。
 夜は相撲とプロ野球中継の録画を見る。相撲は2敗力士が6人に絞られた。というても9日目で幕内力士ではまだ勝ち越しを誰ひとり決めてへんというのはこの混戦をはっきりと物語っているなあ。相撲内容で行くと、正代と照ノ富士が最後まで残りそうな感じ。それを貴景勝と朝乃山の両大関が追う、というところかな。プロ野球は久しぶりにボーアの活躍で連敗ストップ。「鬼筆」植村徹也がどうぼろくそに書こうと、ボーアの打球や守備と走塁はほんまもんのメジャーのもので、これだけの選手を新たに獲得しようというのは難しいと思うな。
 クラウス・コルドン/酒寄進一・訳「ベルリン1945 はじめての春 上・下」(岩波少年文庫)読了。ベルリン三部作の完結編。前作「ベルリン1933 壁を背にして」では産まれたばかりやったエンネが成長して主人公となる。ベルリンは降伏寸前。連合国の爆撃で無辜の人々が次々と亡くなっていく。エンネの父、ヘレ(第一部の主人公)は強制収容所に入れられ、母は刑死している。エンネは祖父母に育てられる。ソ連軍のベルリン進行と、その蛮行。敗戦とともに転向していく人々。ナチス時代にソ連に亡命したドイツ共産党の人々の悲惨な運命など、少女が見聞きしたことが、生々しく書きつづられる。エンネはイデオロギーにとらわれない。それは革命とその挫折とナチス時代を生きた祖父の影響もあるのだろう。作者は東ドイツの生まれで、ソ連と東ドイツ政府の圧政を身をもって体験し、ベルリンの壁の崩壊も、その後の混乱も生きてきた人なので、祖父は作者の分身なのかもしれんな。
 25年間にわたるベルリンの市井の人々を描くことにより、社会の本質というものはそう簡単に変わらないということが浮き彫りにされていく。また、人間の本質というものも。社会の分断化を進めると、独裁は可能やし、独裁というものはそれに従う者にとっては最高の政治やったりする。新型コロナウィルス禍のため、社会の分断化がますます進む現在、児童文学として書かれた本シリーズは、大人から子どもまでどの世代が手に取ってもいいように書かれている。こんなことを書いている私自身にもいろいろなものが突き刺さってくる。時代を超えて、世代を超えて、多くの人に読まれてほしいシリーズ。文句なしにお薦めしたい。

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