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救急車からの電話 [日常生活]

 さすがに週末となると出勤するだけで「ようがんばった」という気分になる。
 今日は一日事務作業。プリントアウトの作業すらおっくうになっている。新入生の中学校へ連絡をとって引き継ぎ事項の確認をし、それを校内LANのファイルに打ちこんだりしていたら、スマホに電話。妻からの着信なんやけれど、いつもやったらLINE電話やのに、通常の電話回線を使用している。
 何かあったんかとつなぐと、男性の声で、「喜多さんのご主人ですね」と確認してくる!
「はい、哲士はわたしですが」
「奥さんが自転車で転倒して、救急車で病院に……」
 一瞬、頭が真っ白になったけれど、気を取り直して話を聞くと、妻は意識はあって話も通じているとのこと。搬送される病院の名を告げられる。帰路の途上にある病院で、行ったことはないけれど場所はだいたいわかる。
 すぐに時間休をとり、バス停へ急ぐ。バスは出たばかり。地元のタクシー会社に連絡して配車を依頼し、乗り継ぎの駅まで急ぐ。ちょうどホームに電車が入ってきたところで、すぐに乗車。気持ちはせくけれど、電車が駅に着くまではどうすることもでけん。本を開いても内容が頭に入るわけでなし。スマホを出してソリティアをしたりして時間つぶし。こういうときはこういうゲームで気を紛らすしかない。
 目的の駅で下車する。今日は非常に温く、上着を脱いで、スマホの地図を使いながら病院へ。気が動転してたんでしょうな。夜間受け付けのインターホンのボタンを押してとりついでもらおうとする。
「正面玄関は開いてますのでそちらからお入りください」
 そんなことにも気がつかんというような精神状態やったんですなあ。病院に入って受け付けを探すと、ロビーのソファーに妻が座っていて「こっち」と声をかけてきた。
 どっと疲れが出るのがわかる。よかった。入院せんならんほどの大怪我やなかった。ただ、転倒した際に唇を切り前歯を折り顔はずるむけになり、救急車は来るパトカーは来るタクシーは通り過ぎる消防車は車庫に入ってるというような状況やったとか。
 頬に貼られたガーゼが痛々しい。
「私、今どこの病院にいるの?」
 救急搬送されたんやからわからんのは当たり前。帰りは目印を指し示しながら歩く。自宅までがどんなに遠く感じられたことか。それでも無事帰宅して、一息入れる。妻は水分をとるのにも苦労している。ストローでお茶を飲むんやけれど、それでも口の中を切ったんやろう、しみて痛いという。唇は何針か縫ったとのこと。来週、抜糸で再度同じ病院に行くことになっている。
 私は冷凍食品のそばめしを電子レンジで温めて夕食をとる。やっとほっとしたんやろう、疲れと眠気が同時に襲ってきたので、ひと眠り。歩きに歩いて汗をかなりかいたせいで、その汗が冷えて寒い。布団にくるまるとましになった。で、今さっき起きてきてこの日記を書いている。
 妻の自転車は車道から歩道に乗り上げる時のわずかな段差の角度が悪く、すべるように転倒したらしい。そのほんのわずかな角度の違いでここまでの騒ぎになるんやから、ほんま怖い。親切な方が救急車を呼んでくれてよかった。人の親切が心にしみるなあ。妻は2度ほど記憶が飛んだという。ショックで失神したのかもしれん。ショック症状というのもきつかったら命にかかわることもある。その程度ですんでよかった。
 ただ、ものが食べられへんのでそれが辛いようです。
 私は土日と連休。家にいて妻の様子を見ていられる。もし当たりどころが悪くて何か症状が出たらすぐに動ける。
 今、妻は私と同じ部屋でいつもと同じようにテレビを見ている。それがどんなに幸せなことか、身にしみて感じるのです。

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