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白と黒 [読書全般]

 昨日今日と夜半に雨。出勤時はあがっていたが蒸し蒸しして体が重い。花粉アレルギーか黄砂のせいか目はかゆいしくしゃみは出る。それでも出勤するのだ、偉いやろう。なに当たり前ですか。
 今日は午前中に終業式、通知表渡しなど。私は来年度の教科書販売のお手伝い。買いに来た生徒をチェックして名簿に記録する係。これは大事で、こちらのチェックと本屋さんの在庫の数が合わなんだりしたらもう大変。幸いミスなくできた、偉いやろう。当たり前やて。
 終了後、来年度のインターンシップ生を呼び出して、実習先の希望などを用紙に書かせた。ほんまは呼び出して面談したかったんやけれど、新型コロナに感染したせいでできてなんだのです。
 午後は事務作業をゆっくりと。定時に退出。
 帰宅後は大相撲春場所3日目を録画で見る。宇良が照ノ富士を土俵際の逆転で下したと思うたら、物言いがついて行司差し違えで負けになった。踵が一瞬早く土俵の外についていたというけれど、リプレイで見ても微妙なところ。取り直しが妥当やったんではないかな。御嶽海が3連勝と快調。正代は今日も順当に負けて3連敗。
 横溝正史「白と黒」(角川文庫)読了。なんと舞台は郊外に続々と建つ団地。少しずつ近代化する社会で、金田一耕助がどのような立ち位置になるかというのが見もの。特に、代表作の数々は因習にとらわれた一族の愛憎劇が主なんやけれど、団地というのは人間関係が希薄になりがち。そこらあたりをどう描くかというところが目玉。団地で亡くなっていた女性は洋裁の店のマダム。プライバシーを暴く陰湿な脅迫状が事件をさらに混乱させる。マダムはこの団地に来る前の素性が一切わからない。ここらが作者の腕の見せ所。ばらばらだった人間関係が少しずつつながっていき、殺人事件の謎はみごとに解決。とはいえ、結局過去の因縁というものにどうしても引きずられてしまうのが戦前から書き続けてきた作者の限界かもしれん。ただ、そんな中で新しい時代に金田一耕助の居場所を作ろうとする作者の意気込みは伝わってきた。非常に興味深い作品やった。

 新型コロナウィルス感染症の蔓延防止措置が21日まで延長されたので、今月も「たちよみの会」例会はお休みします。来月こそ普通に例会を開きたいものです。

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