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森繁久彌の死 [追悼]

 俳優森繁久彌さんの訃報に接する。死因は老衰。享年96。
 自分より年下の俳優がなくなるたびに寄せていたコメントがなんとも悲痛で、長生きするのも辛いものなんやなあと思うていた。
 私は「駅前シリーズ」もほとんど見てへんし、テレビドラマで説教くさいことを言う爺さんというイメージがあったけれど、これは凄いと思うたのが森谷司郎監督の映画「小説吉田学校」やったなあ。吉田茂役を演じ、権力闘争に生きるワンマン政治家を見事に演じ切っていた。説教くさいところなどなく、若山富三郎演じる三木武吉と国会の廊下ですれ違うシーンなどはぞくりとする迫力があった。
 さらに生徒に授業で見せようと入手した豊田四郎監督の「夫婦善哉」を見て、若き日の軽妙な演技にこれまたおどろいた。船場のわがままなぼんち柳吉の駄々っ子ぶりを嫌みなく演じていて、蝶子役の淡島千景のかわいらしさいじらしさがより際立っている。これはもう何度か生徒に見せている。女子生徒が多いので、柳吉の身勝手さに怒ってたりしているけれど、そう思わせる見事な演技ということやろう。
 あと、声優としては東映動画カラー長編第一作の「白蛇伝」で宮城まり子さんと2人だけで全ての登場人物を演じたその演じ分けのうまさ。そしてイギリスの反戦アニメ「風が吹くとき」の核戦争の放射能で死んでいく無知で無垢で現実に目を向けない老人役が実によかった。
 森繁さんの喜劇役者としての評価は小林信彦さんの著書に任せるとして、私にとっては「夫婦善哉」の柳吉であり(「新・夫婦善哉」という続編もよかった)、吉田茂であり、「キャベジンのCMの人」で、「日本で初めてアニメーションでパンダの役をした人」で、説教爺さんなんかやってほしくなかった人なんですね。
 こうして昭和はますます彼方に去ってしまうんやなあ。
 謹んで哀悼の意を表します。
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オハイオゴダイマース [テレビアニメ]

 朝、HDDレコーダーの「ゴミ箱」を空にしたら、予期せぬエラーが発生して昨晩までに録画した番組がすっ飛んでしまいました。うーむ、ずっと録画し続けてた「ブラネテス」やとか、「上方演芸ホール」も見ないうちに消えてしもうたぜ。
 朝からそういうことがあると、まあちょっとしたショックで疲れますわな。仕事はほとんど休みなしでぶっ通しに働き(さすがに6時間中5時間が授業で放課後保護者懇談が入ってるというのはきついですよ)、帰宅したらもうへろへろ。
 ここんとこ疲れた頭で思いつくことをそのまま書いてたら暴走気味になってるんで、今日はおとなしく、無難にアニメのことでも書くか。って、自分のブログでまで気を遣わんならんのはさすがにきついなあ。好きに書かせてくれや。
 「あにゃまる探偵キルミンずぅ」の主題歌が気になってるのです。あれ、タイ語の歌なんですね。「POO」「Chuai Mad Noi」の2曲なんやけれど、歌詞の意味がわからん。調子よくってすぐに言葉は覚えられて聞いた直後は口ずさむこともできるんですけどね。あえて歌詞をテロップで出してへんところがかえってええのかも。エンディングの「Chuai Mad Noi」の冒頭、日本語で「おはようございまーす」と言うてるんやけど、うまく発音でけへんのか「オハイオゴダイマース」に聞こえるのはご愛敬。
 わざわざCD買おうかとは思わんけれど、レンタルで出たら借りてみようかな。私、以前はマレーシアの歌謡曲に凝ったことがあって、東南アジアのサウンドというのはけっこう好きなのですよ。

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「鉄腕アトム」再放送 [テレビアニメ]

 サンテレビとKBS京都テレビで朝に再放送しているアニメ「鉄腕アトム」(カラー版)を録画しては見ているんやけれど、手塚治虫先生の原作があるものについては、やっぱり話の骨格がちゃんとしているので面白いなあと思う。尺の関係で原作の一部をカットしたり引き延ばしたりしている回もある。そしたら、カットの場合はそこが抜けたために話のつじつまが合わなくなったり、引き延ばした場合はそこが妙に冗長やったりしていて、やはり手塚原作はすごいと感じることしきりです。
 手塚先生生前のアニメやから、「アトム誕生」の回はほとんど先生一人で作ってはったりするようなもんなんやけれど、以降の作品も一応は先生のチェックが入ってるみたいで、セルの時代にこれだけ動かしているというのもすごいよなあ。
 ただ、どうしても絵の質や演出に不満が残るのも事実で、手塚作品の映像化はBS2で放送していた「週刊手塚治虫」という番組内の「モーションまんが」という原作の絵を紙芝居風に見せながら声優さんがセリフの部分を受け持つという、あの形がベストなのかも。それだけ手塚漫画は手塚漫画として完結しているということやないかなあ。

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日本一の左打者 [プロ野球]

 昨日は従兄と京橋の「あっぱ」という店で飲む。カクテキキムチを頼んだら辛くてうまい。ついついビールのペースが進んで、割と早く帰宅したにもかかわらず酔いがまわってしもうて日記も書けずに寝てしまう。もっとも、懇談週間がはじまり昨日今日だけで10数組の親子と話をしたわけで、疲れもかなりたまってたんやろうなあ。
 今日は以前住んでいたパナソニック市まで所用で出かけたりして、やっぱり疲れてます。
 夜は日本シリーズをテレビ観戦。解説の誰が言うたか知らんが「小笠原は日本のプロ野球で一番素晴らして左打者です」と断言していた。根拠を述べよ根拠を。こういうなんの根拠もない発言を「解説」と称するのを許しておいてええんか。
 福本豊さんが「こら打てん」という時にはほんまに打てんと予想される根拠がある。アナウンサーが聞いたらそれを教えてくれる。聞かなんだら教えんだけのことです。
 それはともかく空気の読めないジャイアンツはせっかくプロ野球史上初の「ヌケヌケ」日本シリーズになるところを連勝してしもうた。サービス精神のかけらもないチームやの。

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史上初のヌケヌケシリーズになるか [プロ野球]

 今日の日本シリーズ第5戦はジャイアンツが9回裏に2本のホームランで逆転して3勝目をあげた。これでこのシリーズ、奇数試合はジャイアンツ、偶数試合はファイターズがそれぞれ勝つという展開になっている。
 これは相撲の世界でいう「ヌケヌケ」という状態なんですね。白星と黒星が毎日交互にならぶという。勝敗というのは面白いもので、必ずどこかで勢いがついて連勝したり、あるいはつまずきが拡大して連敗したりするもんなんやね。そやから毎日交互に勝ったり負けたりというのは実は非常に珍しい。
 逆の場合の方が出る確率は高い。3連敗4連勝の逆転優勝という日本シリーズは過去3回ある。厳密にいうと2回。西鉄ライオンズが読売ジャイアンツに対して逆転した伝説的なシリーズと、読売ジャイアンツが近鉄バファローズに対して加藤哲郎の「巨人はロッテより弱い」発言をきっかけに逆転をしたシリーズ(加藤は別なニュアンスで言うたらしいけれど、悪意に満ちた東京のメディアが面白おかしく書きたてたというのが真相らしい)。もうひとつ、西武ライオンズが広島東洋カープに初戦を引き分けた後、3連敗4連勝したシリーズがある。
 で、「ヌケヌケ」なんやけど、実は日本シリーズ史上一度もない。ここまできたら、札幌ドームでは明後日はファイターズが、最終戦ではジャイアンツが勝ってこの珍記録を完成させてほしい。ジャイアンツが日本シリーズを制覇するのはしゃくにさわるけど、ここまで来たんやからそこはこらえましょう。こらえますよ。うーむ、なんで初戦をファイターズがとってくれてへんのやあっ。それやったら素直に「ヌケヌケ」完成を喜べるのになあ。

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鈴娘ちゃんがんばれ [演芸]

 今日は勤務校の「芸術鑑賞会」。今年は古典芸能を楽しむ会ということで、上方落語二席、太神楽、紙工劇落語というプログラム。
 開口一番は林家染左さん。高座から「落語をテレビなどでいいから一度でも聞いたことのある人」と声をかけたら会場から予想外に多くの手が挙がって驚いてはった。私のようなアホな教師が授業で落語のビデオを見せていたりするなんていうことをした成果が出ましたな。つかみのダジャレ小話も受け、気分が乗ったか「時うどん」はなかなかの熱演。
 二つ目はいろもので東京から紙切り芸の林家二楽さんが来はる予定やったけれど、なんとインフルエンザで来られず、代演で海老一鈴娘さんの太神楽。急遽呼ばれたせいか大道具を使うた曲芸はなく、次々と高くものを積み上げていく芸ばかりで側から見てても地味すぎた。
 中ドリは桂あやめさん。の創作落語。
 トリは桂小南治さんの「紙工劇落語」で「死神」。これは実弟の二楽さんとコンビでOHPを使うて落語の場面などを背後のスクリーンに影絵として映し出しながら落語をするという変わった趣向のもの。二楽さんがいなくて紙切り芸とのコラボレーションは楽しまれなんだけれど、背後の影絵を使うて落語をわかりやすいものにしたりしてくれて生徒の食いつきも上々。東京の落語と上方落語の違いを雰囲気だけでも味わってくれたかな。
 しかしなあ、鈴娘ちゃん、まだまだわざわざ失敗してみせたりとかいう余裕がないなあ。保護者が子どもの舞台発表にきて手に汗にぎってるような感覚になる。上方では貴重な太神楽のやり手だけに、もっと大きくなってほしいと応援したくもなるものです。
 生徒も楽しんでいたみたいやし、私も久しぶりに生の高座に接することができて何よりでした。

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漫研交流イベント [教育]


 今日は12月上旬並みの寒さ。にもかかわらず、部活引率で夕陽丘へ。
 専門学校と進学情報を扱う広告代理店が共催で「第1回高校生マンガ・イラスト展示交流会」というイベントを実施し、私が顧問をしている漫研も参加したのです。
 話は9月ごろからあり、代理店の担当の方が熱心に学校まで足を運んで私も相談を受け、生徒たちに「こういうイベントがあったら行きたい?」とたずねたりして実施まで時間をかけたもの。今年はインフルエンザのせいで学校の文化祭は外部の招待者はなしということになり、部誌や作品もクラスメイトたちにしか見せられなんだから、ふだんなにかの同人誌に書いている生徒は別として、あまり他校との交流のないクラブだけにええ機会になった。
 あくまで交流が目的のイベントなんで、コスプレや作品の販売はなし。たいていは制服で参加したから、学校同士の交流会という雰囲気ができていた。

 区民会館のホールを活用し、ごらんのように各校ごとにかんたんなブースをつくっていろいろな生徒たちが気軽に立ち寄って好きなマンガの話で盛り上がったり、スケッチブックにキャラクターの絵を描いて交換したり。展示作品にはエントリーナンバーをつけて人気投票もできるようにしてあった。私の学校の生徒が第3位に入って大喜び。
 ふだんはあまり社交的やないオタク高校生たちが、きゃーきゃー言いながらメルアドの交換をしたりして楽しんでいた。一応「第1回」と銘打ってるけど、今年だけのものになるかもしれんが、生徒たちは「来年もしてほしい」と口々に言う。私からも担当の方にそれは伝えておいた。
 というわけで、寒さのためか帰宅した後は疲れてだらだらごろごろしていたけれど、初めての試みはまずは成功やったみたいで、参加を決めてよかったですよ。大阪府内から12校の参加があったわけやけれど、参加してへん学校の生徒も個別にやってきてたみたいやし、来年もしあったら、もう少し参加校は増えるかもね。専門学校の宣伝も兼ねたイベントで、そこの講師による指導なんかもあったりした。それはそれでまあ生徒たちも割り切っていたみたいやしね。

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若き日の投稿 [日常生活]

 月が変わったとたんえらい寒なったやないの。なんでこう線を引いたように気候が変わるかなあ。明日は漫研の引率で外出せんならんというのに。ついにフリースを引っ張り出して羽織ってますよ。ああ寒。

 森川弘子さんの「年収150万円一家」で、懸賞生活のくだりを読んでいたら、自分が過去に当てた懸賞のことなど思い出されて、懸賞好きの妻と懸賞談義。
 例えば、30年ほど前に出ていた伝説の漫画雑誌「漫金超」の懸賞に当たって「バイトくん3」のいしいひさいちさん直筆サイン入り単行本が当たったこととか、「高3コース」で「パパラギ」などの本を当てたこと(「高3コース」では河合奈保子のサイン色紙も当てた。大ファンやったから跳びあがるほど嬉しかった)なんてのが思い出されるなあ。
 そういえば高校時代は小遣い稼ぎに「京都新聞」の読者投稿欄や「週刊プレイボーイ」の読者投稿欄にせっせと送って稿料をせしめていたわい。これで矢野顕子のLPを1枚ずつそろえたよなあ。
 「コース」ではまついなつきさん担当の読者欄にお便りを出して採用されたこともあった。「OUT」という雑誌では誤植をネタにした投稿が掲載されたこともある。
 書評家としてデビューしたり、web上で日記を書いたりするようになってから、そういう投稿はしなくなったけれど、若いころはけっこうあちこちに投稿したんやなあ。
 ひとつ悔しいのはNHKの「レッツゴーヤング」のレギュラー出演者の似顔絵コーナーに日高のり子さんの似顔を投稿して採用されなんだことかな。けっこう似ていてかわいらしく描けたし、私としてはかなり上出来の部類やったのになあ。あ、アイドルデビューしたての「のんこ(日高のり子さんの当時の愛称)」にファンレターを出して直筆のお返事をいただいたんやった。あれはたしかデビューシングルにはさんで保管してあるから、探せば出てくるはず。
 すっかり懐古モードの日記になってしもうたな。たまにはええか。

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「警部補・古畑任三郎」再放送 [テレビ全般]

 関西テレビでなぜか「警部補・古畑任三郎」(第1シーズン)の再放送をしているので、録画して見ている。ここらあたりは見逃しているんで、DVDを借りんでええからありがたい。
 この初期のシリーズはまだ視聴者になじみがない時期やからか、ミステリのトリックなんかはあまり凝らず、また犯人の完全犯罪の仕掛けも荒い分、視聴者が「あ、そこが解決編のカギになるね」と指摘しやすくしてあるねえ。
 その分、ラストの見せ方は劇的でわかりやすく、鮮やか。多分に「刑事コロンボ」らしさが強調されているような気がする。笑福亭鶴瓶が犯人の回なんか、まさに「コロンボ」的。脚本の三谷幸喜さんが「俺はコロンボを書きたかったんだ」という夢を実現できてとても楽しく書いているのがわかる。
 いろいろと忙しい時期やのに、またわざわざ毎日放送しますかね。嬉しい悲鳴をあげているのでありますよ。

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