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朝日ソノラマ閉店 [SF]

 読書感想文「近江から日本史を読み直す」(今谷明)を新規更新しました。

 なんということでしょう。朝日ソノラマが閉店するやなんて。
 幼少のころは朝日ソノラマの「ソノシート」で「鉄腕アトム」などに親しみ、小学校に上がり「八十日間世界一周」などの面白い小説をリライトしたものに親しみ、中学校時代は「ソノラマ文庫」で「暁はただ銀色」「地底怪生物マントラ」などなど多数のジュヴナイルSFを読み漁り、高校以降は「クラッシャージョウ」「キマイラ・吼」などなどヤングアダルト・ノベルのさきがけとなる作品をしっかりたっぷり提供してもらい、その後も優れた作家を数多くデビューさせてくれた。さらには「ファンタスティック・コレクション」などのムックは徳間書店の「ロマンアルバム」と競うように「おたく」と呼ばれ始めた我々を泥沼に……いや深みにひきずりこ……いやいや専門知識を知りたいという欲求を満たしてくれ、「マンガ少年」「リュウ」「ネムキ」といったコミック誌からは「火の鳥」の復活をはじめとして数多くの名作を生み出してくれた。
 その朝日ソノラマが閉店するやなんて。
 今後は出版権は朝日新聞社が持ち、今後も継続して出版物は発行されるようやけれど、たとえば「キマイラ」の最新刊が「朝日文庫」の装丁で出たりすることになるんかしら。それは嫌や。朝日ソノラマには朝日ソノラマらしい独特のカラーというか匂いというか、そういうものがあって、それは私の血肉の一部となって存在するもんなんやから。
 いやまさか、そんなにひどいことになっていたとは。ソノラマでしか読めない作家さんや漫画家さんの新しい作品はどうなるの。まさか編集部まるごと朝日新聞社に異動して朝日新聞発行の「ネムキ」なんてものが出たりするのか。もう少し情報が出揃うまで静観するしかないのやろうけれど、今はただ寂しさを噛みしめるしかないんやなあ。
 朝日ソノラマのみなさん、今まで私たちを楽しませてくれて、ありがとうございました。


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コメント 5

雫石鉄也

 初めて知りました。びっくりしました。大変に残念です。
私のブログでも、この話題について書きました。
by 雫石鉄也 (2007-06-24 05:46) 

かげぼし

ここに書き込むのは、初めて(たぶん)よろしく

僕らの時代は、やっぱり「宇宙船」とか「スターログ」創刊の頃やもんね.

特に、前者のミニチュア投稿のページとかが面白かったなあ.
日本中にこんなの作っている奴がいるのかと思うと楽しかった.

本当に残念です.
by かげぼし (2007-06-24 14:19) 

t-kita

>雫石さん
ブログ拝見しました。朝日ソノラマが果たした役割は、子どものサブカルチャーの定着と発展、そしてその延長線上にある日本SFへの貢献と、かなり大きなものがありますね。まだまだやってほしいことも多かったのですが。

>かげぼしさん
そうそう「宇宙船」という存在も大きかったね。徳間は「ロマンアルバム」から「アニメージュ」とメジャー路線を行き、ソノラマは「ファンコレ」から「宇宙船」に行く。王道を歩もうとしながらなぜかマイナー路線にたどりついてしまうところがソノラマらしかったと思います。
by t-kita (2007-06-24 22:56) 

垂直応力

私の場合、安彦良和監督で映画化されたときに「クラッシャージョウ」をまとめて読んで以来の付き合いでした。漫画ではなんと言っても高橋葉介の初期作品群です。

>ソノラマでしか読めない作家さん
他のところでも書きましたが、だいぶん前から予告だけはされている秋山完や岩本隆雄の新作はどうなるんでしょう。

>編集部まるごと朝日新聞社に異動して
「角川書店富士見事業部」みたいにして、何とか「朝日ソノラマ」を継続してほしいものです。
by 垂直応力 (2007-06-25 22:14) 

t-kita

>垂直応力さん

単行本の発行は継続して朝日新聞社から行うということは、新刊も含むと考えたいですね。ハヤカワが引き取るということは……どうかな。
「ネムキ」がどうなるのか、8月発売の9月号に何か書いてあるでしょうから、そこに注目したいと思っています。まあそれまでにホームページで何らかの告知があるかもしれませんね。
by t-kita (2007-06-26 00:24) 

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