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戦後日本漢字史 [読書全般]

 今日はお山の学校に出勤。文科省より送られてくる「アベノマスク」の配布方法や、役割分担などについて養護教諭に相談しながらプランを練る。また、奨学金関係の文書を新しい担当者に引き継いだりする。これはテレワークではでけん。
 それにしても「アベノマスク」には困ったもので、ニュースによるとかみの毛やら虫やら異物が袋に混入していたらしい。お山の学校に届いたらまず枚数確認をせんならんのやけれど、その時に異物混入についても一つ一つを確認していかんならん。手間ばかり掛けてあまり役に立たんというのやからなあ。どうせ送るなら少々高くついても泉大津の業者が作った「アサヒノマスク」を送ってくれよ。なんか「アベノマスク」を批判された総理は「アサヒノマスク」をこきおろしたらしい。で、泉大津の業者が怒っているとか。繊維の町の底力を見せたると開発した上等なのと、ろくに役に立たんガーゼマスクをいっしょにせんといてくれという、これもうプライドの問題ですな。それにしてもろくに調べもせんと軽々に発言する悪癖がこんなところでも出るんやから、困った総理です。
 ネットで教材となる動画がないか検索したりしてから、定時に退出。帰路、内科に寄る。調剤薬局で一人一セットでマスクを売っていると書いてあるのでよう見たら、5枚で800円。うーむ、急場しのぎで欲しいところやけれど、5枚だけでは焼け石に水やなあ。
 帰宅後、しばらく読書。いろいろとストレスがたまっているせいか血圧が上がっているのであります。
 阿辻哲次「戦後日本漢字史」(ちくま学芸文庫)読了。戦後、GHQの命で漢字廃止のために作られた「当用漢字表」がいかに漢字文化を破壊していったか。そして時代が変わり、漢字の使用制限であった当用漢字に代わり作られた「常用漢字表」は漢字使用の目安に目的が変わる。さらにワープロの出現で漢字の使用が簡便になったかわりに、今度は国語科学者の意見を取り入れない工業用のJIS配列が基準となってくる。その変遷を、当時の論議を丹念に拾い上げながら示していく。当用漢字以降で育った世代が大半を占めるようになったため、旧字の復活は難しいと筆者は考える。しかし、当用漢字が漢字の本来の意味を無視して簡略化された悪影響が現代のワープロ辞書にも残っていることを指摘し、今後の漢字のありようを考察していく。私の小学生のころはしょっちゅう送りがなが変更されたりして混乱したもんやけれど、なんでそんなことが起こっていたかなど、非常にわかりやすく示されていて、興味深く読めた。筆者によると、スマホ時代になり文章を書く人口は過去最大のものになったと推察される。それでも手書きの重要性を説いていくあたりは、十分説得力がある。漢字研究の第一人者による戦後漢字史は、言葉を軽んじてきた時代への反省、そして文章を書くことが手軽になり過ぎている現代への警鐘になっているのですね。

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