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幼年期の終わり [SF]

 今日はテレワークでおうちでおしごと。朝から世界遺産の番組をBDにダビングしたり、パソコンに向かって教材作成など。今日も全日自宅から一歩も外に出ず。ウィルス感染のリスクはないけれど、職場にある資料を使いたくても持ち帰ってへんものもあり、いささか不便。今週末にもう一日テレワークを予定しているので、その際には追加で資料を持ち帰らねば。
 夕刻、妻と録画した「未来少年コナン」を見たりする。夕食後は読書。
 ネットでスポーツ紙のニュースを見たりしたら大阪府知事のパチンコ店名公表でラサール石井さんがつぶやいたのに府知事がけっこう本気でかみついたりしている。人は痛いところをつかれるとムキになると思うけれど、府知事もそうなのかな。批判を気にするということは、それだけの覚悟なしにやったというように思われるから変に反論なんかせんほうがええと思うんやけれど。度量のなさを疑われますぞ。
 アーサー・C・クラーク/池田真紀子・訳「幼年期の終わり」(光文社古典新訳文庫)読了。〈以下、ネタバレがあるのでこれから読もうという方はご注意ください〉高校時代に読んで以来読み返すことがなかったけれど、「100分de名著」を見て、読み返してみる気になった。どうせなら福島正実訳のハヤカワ文庫版を引っ張り出してきて読み比べてもよかったんやけれど、お仕事で読んでるわけやないのでそこまではせず。で、読み返したら、いかにテレビでの瀬名さんの解説が上手かということが分かった。高校時代に読んだ時は、リアルタイムで「機動戦士ガンダム」を放送していて、本書で進化していく子どもたちの姿と、「ガンダム」のニュータイプという概念を照らし合わせながら読んだもんやった。で、21世紀になりおっさんとなってから読み直すと、地球上の紛争をなくすのに圧倒的な外圧が必要というような考え方に違和感があり、さらにオーヴァーロードという存在の正体などもすべてわかった上で読んでいるので、あの頃のようにショックを受けながら読み進むということはなく、ちょっと拍子抜け。やはり時代というものを感じてしまう。これが例えば数年前にハインライン「夏への扉」を再読した時とは違うのですね。本書の面白さはお話としての面白さやない。クラークの提示するテーマにどう反応するかというところが面白さを感じる境目になっているように思う。平和に慣れ進歩することを禁じられた人類が、「進化」という道をとるけれど、それができなかったオーヴァーロードの哀しみにどこまで読み手が共感できるか。そこらあたりがキモやないかと思う。私は地球人を救うために強大な力をふるうことに何のためらいもないオーヴァーロードに西洋人の傲慢さを重ねてしまい、素直にテーマを受け止められなんだ。そこに私の40年という歳月を重ねると、強い権力をもったものに飼いならされてしまう地球人の哀れさしか感じ取られなんだし、子どもたちが進化する必然性が感じられず、これなら諸星大二郎「暗黒神話」「孔子暗黒伝」の方がスケールの大きさと哲学的な深さを感じさせるよなあ、なんて思うてしもうた。このあとテレビで紹介された順に「都市と星」「楽園の泉」も読むつもりやけれど、ちょっと覚悟して読んだ方がええんかなと思うた次第。

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