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天下の豪商と天下のワル [読書全般]

 今日は定休日。朝からアニメ「贄姫と獣の王」などを見る。昼食後、妻とともに阪急で京都へ。母の入っている施設に行き、面会。一時と比較して、かなり元気になっている。話しかけて帰ってくる言葉にも力があり、ほっとする。母の好きな「にっぽんの愛唱歌」のDVDをBGMに聞いていると、こちらも眠くなる。夕刻、施設から帰宅。
 午前中は腹を下し、膝の具合も変わらず、帰路はかなり雨が強く降っていて、帰宅してすぐに社説のダウンロードなどをしたら、すとんと寝落ち。なんとか起きてきてナイター中継の追っかけ再生。今日の中継はBS12。試合開始から10時前まで延長ということで、安心して試合終了まで見る。相手のエラーなどで逆転したというのに、湯浅が逆転サヨナラホームランを打たれてしまい、イーグルスにまさかのカード負け越し。明日からファイターズ戦。新庄監督にも八木コーチにも江越選手にも悪いけど、3連勝させてくれい。
 田中啓文「天下の豪商と天下のワル 元禄八犬伝 二」(集英社文庫)読了。淀屋橋の名が残る天下の豪商淀屋の資産を丸ごといただこうと画策した天下のワルに対し、さもしい浪人網干左母二郎、並四郎、船虫たちと丶大法師や八犬士が大暴れする「三人淀屋」と忠臣蔵の登場人物である矢頭衛門七の父が質に入れた家宝をだまし取られた上に殺害されてしまう。質屋と悪徳同心と組んで衛門七を窮地に陥れたものの正体を探る「仇討ち前の仇討ち」の2編を収録。いずれもミステリ色が濃く、特に並四郎が活躍する。八犬伝の悪党と赤穂浪士との交流というあたり、目の付けどころも秀逸。小悪党の左母二郎が大掛かりなワルにひと泡吹かせるのも痛快、なんやけど、左母二郎はかっこよすぎるんですなあ。「さもしい浪人」と自称する割に、ちっともさもしくない。田中さんの左母二郎に対する思い入れもわからんではないというか、おおいにわかるけれど、もう少ししみったれたところがないと、いざという時に別人のように活躍する姿にカタルシスを覚えない。難点というほどやないけれど、もしかしたら田中さんも左母二郎を扱いかねてるのかなあ、それやから並四郎の活躍が際立つのかなあと感じてしもうた。さらにいえば、八犬士の存在感もちょっと薄い。犬川額蔵の生真面目さなど、かなりしっかりキャラクターの性格付けをし、出番も作っているのに、もったいないなあ。さて、時間では怨霊がどのような悪事を働くのか、そこはかなり楽しみ。ところで「三人淀屋」というタイトルは明らかにシャーロックホームズものの短編「三人ガリデブ」のもじりなんやけれど、解説の三田主水という人は完全にスルーしてしもうている。もじりとか地口が田中さんの本領なんやから、そこを見逃したら解説にならんでしょうが。

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