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ディープフェイク [読書全般]

 朝から録画した番組を見るが、先週最終回を迎えたものもあり、深夜アニメは少なめ。それでもドラマ「ブギウギ」を見たりするので午前中は例によってテレビに貼りつき。昼食後、一度パソコンを立ち上げたものの気温が急にあがったりしたせいか体がだるく眠くなり、すぐに落として午睡。
 夕刻起き、昼間に録画したプロ野球中継を見る。タイガースが完封リレーのお返しをして今季初勝利。これで次節からは落ち着いてプレーできそう。
 さあ、明日からは新年度の始まり。気分一新といけたらええなあ。
 福田和代「ディープフェイク」(PHP文芸文庫)読了。荒れた生徒への夜回りをしたりいじめられた生徒がいじめた相手を刺そうとするのを体で受け止めたりしたことで雑誌記事にとりあげられた中学校教師の湯川は、そのためにテレビのレギュラー番組を持つほどになっていたが、ゴシップ誌に覚えのない女子生徒との交際疑惑を書かれたり、ネットで体罰をしているフェイク動画をあげられたりしたことで、社会的にも職場内でもバッシングを受ける。自宅にも入れずビジネスホテルに宿泊。娘は自殺未遂。交際相手とされた生徒は行方不明と四面楚歌に陥った湯川だが、弁護士や彼を信じる人々の協力を得て、自分を陥れた者を突き止めようとする……という話。ミステリ的には犯人像が弱く、ガセネタをつかまされたゴシップ誌の記者の人物造形の浅さなど気になる点はある。それでも本書が面白いのは、動画の捏造や証言のでっちあげなど、AIを悪用すれば、一人の人間の社会的信用など簡単に失わせることができるということをこれでもかこれでもかと読み手につきつけるからやろう。また、主人公がどうやって彼を陥れようとした犯人を突き止めていくのか、あくまで彼の知る範囲のことだけに絞って描いているというところやと思う。特に、一気に奈落の底に突き落とされた主人公の描写など、もし自分がそういう目に遭うたらどうするやろうと考えさせるところなどが秀逸。それだけに、犯人たちの人物像が弱いのがよけいに気になってしまう。とはいえ、読み出したら止まらなんだのは確か。現代の病巣をえぐり出し、被害者がどのように対抗すべきかを示唆するところなど、読みどころの多い一冊でした。

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