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節をつけない子どもたち [日常生活]

 今日は中学生向けの学校説明会。私は体験授業の担当。「なにわ学」という授業をする。中学生たちに少しでも関心を持ってもらおうと、方言ネタを用意した。それもただの方言やなく、数の数え方やら先生に言いつける時のはやし言葉など、あまり大阪弁について触れた本でもとりあげんあたりをねらう。
 関西地方では風呂に入って子どもを温める時などに「いちにいさんしい、ごおろくひちはちくうーじゅう」と(文字だけではわかりにくいやろうけれど)節をつけて歌うように数える。小学生が教室でいたずらをしたりした時に「ゆうたろゆうたろ、先生にゆうたーろ」とはやしたてる。これについて2006年に書かれた新聞記事をプリントにして用意した。
 で、中学生たちがやってきて、体験授業開始。私が節をつけて数を数えてみたあと、「さあ、こうやって節をつけて数えるという人は手を挙げて」と言うと……。
 誰も手を挙げへん。
 あわわわわ。今の子らは親に風呂に入れてもろうたりせえへんかったんか。この中学生たちの親はみんな関西以外の生まれなんか。
 パニック、とまではいかんけれど、この計算違いは大きかった。話がここで止まり、発展せんのやもん。「ゆうたろゆうたろ」で挽回しようとしたけれど、こちらも期待したほど手をあげてくれへん。「どれにしようかなかみさまのゆうとおり」はさすがに手の挙がる数が多くなった。「ぼんさんがへをこいた」はほとんど知らず大多数の生徒が「だるまさんがころんだ」やった。
 おおおお、なんたること。子どもたちの身近なわらべ歌的な節回しが大阪から消えつつあるのか。それとも体験授業で緊張したり恥ずかしかったりでよう手を挙げなんだんか。
 2006年の新聞記事。7年前と少し古めのものではあるけれど、こういうことに古いも新しいもあるかいと思うていたけれど、そうやないらしい。
 中学生たちのおかげでこちらがいろんなことを体験させてもろうたのでありました。

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