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貴ノ浪の死 [追悼]

 今日は「たちよみの会」。結局参加は私だけ。最初から誰も来ないとわかっていたら家で午睡したいところやったけれど、この日には誰かがいるという「場」を用意するというつもりなので、この会だけはまだ大切に残しておきたいと思うのです。
 昨夜のニュースで元大関貴ノ浪の音羽山親方の訃報 に接する。死因は急性心不全。享年43。
 個性派大関やった。懐が深く、相手がどんなに寄っていっても寄り切られん。そして土俵際でひょいと逆転してしまう。かと思うと長身を生かして吊り寄りで力強く攻めることもできる。
 出世の時期が武蔵丸関とほぼ同じ時期やったから、競争で上がっていった。ただ、横綱に昇進するところまでいかなんだのは、欲のないおおらかな性格やったということなんやろうと思う。当意即妙の支度部屋コメントは面白かったけれど、そういうところから「なにがなんでも横綱になってやる」という執念みたいなものは感じられなんだもんな。
 でも、それが大関のええところでもあったんやないかとも思う。同部屋の若貴兄弟とは別次元で相撲を取っているような感じがした。そやから、貴乃花全盛時代に、もし貴乃花が苦手とするならば、それはきっと貴ノ浪やないかと思うていたし、部屋が同じやったことは幸いしたなあとも思うていた。
 ただ、一度だけ優勝決定戦で当たったことがある。この時私はもしかしたら貴ノ浪の優勝かと思うたら、得意の土俵際の逆転業である河津掛けで貴ノ浪が勝ったので、自分の目は間違うてなんだと安心した記憶がある。
 まだ43歳。審判委員となり、今後は協会の運営にも関わってくることが期待されていた。解説など聞いているとバランスのとれた常識人で、頭の回転の速さも感じていただけに、非常に惜しい。
 個性的な準主役として、若貴時代を飾った名力士やった。
 謹んで哀悼の意を表します。

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