SSブログ

笑劇の人生 [読書全般]

 早朝、まだ暗い中を出勤。午前6時半、街灯に照らされて、粉雪が光る。大阪市内でも明け方にはわずかながら降ったのです。乗り換え駅の改札を出ると、小雨。バスに乗ってお山の学校の最寄りバス停に着いたら、粉雪に変わっていた。午前中は窓の外を見ると常に雪がちらつく。夕刻、退出時には気温が上がったのか小雨になっていた。バスと電車を乗り継いで自宅の最寄り駅前に出ると、まだかすかにやけれど雨が残っていた。
 もし昨日こんな天気やったら皆既月食は見られなんだやろうなあ。
 ストーブをつけ続け、仕事部屋に1日こもって成績つけの業務に専念。3年生の授業が終了したので、時間の余裕はある。ほんまは郵便物を出しに行きたいところやったけれど、この天候なので、明日にまわすことにする。急ぎの用件やなくてよかった。午後、2年生対象に奨学金の説明。
「就職やしぃ」と聞えよがしに言う生徒もいる。そんなもん、わずか数カ月でころりと変わったりする実例を山ほど見てるんよ、こっちは。「気がかわり、後期になってから慌てて奨学金を申し込む生徒もようけいてるんやから、関係ないと思わんように」と釘を刺す。まあ目の前のことしか見えへんのは仕方ないのよね。そういう年頃なんやから。
 通勤時、芦屋小雁「笑劇の人生」(新潮新書)を読了。上方演芸史ではあまりとりあげられてこなんだ花登筺系の喜劇に関する貴重な証言が語られている。どうしても上方演芸史では漫才と落語を軸にした著作が主流になってしまうから、まだ当事者である小雁師匠が達者なうちにこういう本を出してくれはったのはありがたい。企画を出した新潮新書の殊勲甲ですね。去年は大村崑さんも自伝を出してはる(未読)。ここいらあたり、小林信彦さんでもカバーし切れてへんラインなんで、ほんまに貴重なんですよ。
 不満があるとすれば、量が少なすぎる。もっともっと語ることはあるはず。第二弾を切望します。こうなると、花登さんの早世が悔やまれるなあ。「私の裏切り裏切られ史」は未完のまま終わっているわけやし。それと、できれば簡単でええから年譜もつけてほしかった。出演したコメディのリストとか、そういうものもつけられなんだかな。ここらあたりは編集者の腕の見せ所なんやけれど、新潮新書というのはそういう意味では全体にお手軽な感じがするのですねえ。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ: