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天と地の守り人 [読書全般]

 昨日、今日と気温が急に上がり、日中は大阪市内で10度を超えたそうな。お山の学校も身を切るような寒さは失せた。それにしてもつい先日は最高気温が3度とかいうてたのに、この急激な変化はなんですか。上がるなら、体がびっくりせんようにじわじわと上がってほしいものです。ホメオスタシスなるものがうまく働かんやないですか。おかげで1日ずっとなんかだるい。
 寒いというては文句をたれ、暖かいというてはぼやいているなんて勝手な奴やと思わはるかもしれんけれど、段階を踏んで暖かくなってくれたら文句はないのです。とかく自然現象なるものに人間は勝たれへんのう。人間も自然の一部やったはずやのにね。
 往復の車中で、上橋菜穂子「天と地の守り人 第三部 新ヨゴ皇国編」(新潮文庫)を読了。これで一応「精霊の守り人」から始まる連作シリーズを読み切った。最終のエピソードとなる「天と地の守り人」は、途中で戦国物語というような様相を見せ、どうなることかと思わせたが、ちゃんとファンタジー世界らしい結末の付け方をしているところはみごと。皇太子チャグムと用心棒バルサ、そしてこの2人をめぐる人々の織りなす人間模様と、人間の力ではどうにもならない超自然の世界、そして陰謀渦巻く王宮の物語とが絶妙のバランスでからみあった大きなシリーズですねえ。作者の上橋さんも1962年生まれなのですね。62年生まれというのはほんまに多士済々ですなあ。
 惜しむらくは、登場人物のネーミングで、バルサとかイーハンとか現実社会で意味のある言葉と重なってしまうので、そこが気になったりする。最初にアニメ「精霊の守り人」で「バルサ」という名を聞いた時は、模型作製などに使う軽い木材を連想してしもうたし、ドラマ「精霊の守り人II」で「イーハン」の名を聞いた時は、麻雀の役がついてるんかとか兄弟がいてたら「リャンハン」とか「サンハン」という名前なんかとかいらんことを考えてしもうた。他にも「トロガイ」って名古屋弁みたいな響きやなあとかね。まあ、ファンタジー世界の人物なんで特定の言語によらない名前をと考えはったんやろうけれど、そういう名前を作るのは難しいのですよ。キラキラネームをつける親の方が驚くべき独創的な発想をしていたりなんかしますなあ。
 今さら私がどうこう言う余地はありますまい。余韻を楽しむように残り2冊の短編集をまたぼちぼちと読んでいくことにしよう。

 2月18日(日)は、「たちよみの会」例会です。多数のご参加をお待ちしています。

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