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国体論 [読書全般]

 今日は「たちよみの会」例会。古参Y氏がきてくれて、楽しく雑談。早めに切り上げて丸善へ。寺町をぶらつき、「かつくら」でとんかつを食し、散会。
 帰宅後、プロ野球中継を追っかけ再生で見る。いきなり岩田がバレンティンにホームランを打たれたけれど、ゴロを打たすために投げた低めの球をスタンドに運ばれた。あれを持っていかれたんでは手の打ちようがないね。
 車中で丸善で購入したマンガ、施川ユウキ「バーナード嬢、曰く 4巻」(一迅社)を一気読み。SF者の琴線に触れるネタがさらに増えたなあ。
 白井聡「国体論 菊と星条旗」(集英社新書)読了。第二次大戦の敗戦で天皇は元首から象徴となり、日本を戦争に突き動かしていった「国体」は天皇から「アメリカ」に移った、という著者の主張を、戦前と戦後の対比、さまざまな文献などから裏付けていく。日本国憲法よりも日米安保条約が上位にあると断じ、今上陛下の退位の「おことば」に隠された陛下の意思を読み解く。
 オバマからトランプに大統領が変わると速攻で渡米してトランプのご機嫌をとる総理大臣の醜態、反米親中親韓を主張すると反日と決めつける「保守」論者などの行動原理が、戦後の「国体」はアメリカであることを露呈させているという説明には首肯せざるを得ない。そして、敗戦時とほぼ同じ状況が近づいていると著者は警告する。それを誰よりも敏感に感じ取っているのが今上陛下であり、「おことば」にはその危機感がこめられているという。
 もし著者の主張が正鵠を射ているとしたら、第2の「敗戦」のあと、次の「国体」はどこに移るのか。気鋭の政治学者による警世の書であると、読了後、頁を閉じて身震いしたのであります。

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