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トリフィド時代 [SF]

 今日から生徒も登校開始。全校集会という名の始業式で、校長あいさつの後、「いじめアンケート」について全校生徒に告知。今さら足が震えたりはせんけれど、1ヶ月ぶりに生徒の前に立つといささか緊張いたしますなあ。
 集会の後は実力テストの試験監督。というか、障碍のある生徒の代筆。解答用紙はマークシート式。去年の教員免許更新講座のテスト以来ですねえ。均等に塗りつぶすのが難しいうえに、自分のテストやなく生徒のテストやから塗りつぶし方が悪くて結果が悪くなったらいかんから気を遣うね。
 午後からは台風の影響で暴風警報が出たので生徒は完全下校の指示が出る。同僚の中にも時間休をとって早退した人もいてたみたい。ぼっち部屋なんで、そこらあたりの状況がようわからんのです。私は明日から始まる授業の準備など。暴風警報も大雨警報も出ているのに、風はそよとも吹いてへんし、雨も降ってへん。けったいな警報ですわ。大雨が降るかもと大きめの傘を持っていったのに、荷物にしかならなんだ。
 夜になってようやく台風らしく風雨が強くなってきた。ナゴヤドームは台風とは関係なく試合をしていた。タイガースのサヨナラ負け。ナゴヤドームはやはり鬼門か。
 ジョン・ウィンダム/中村融・訳「トリフィド時代 食人植物の恐怖」(創元SF文庫)読了。新訳版が出たんで読み直してみることにした。何十年ぶりの再読でしょうか。彗星の光を見たものはみな盲目になってしまい、光を見ずにすんだ少数の人類は無秩序になった世界にそれぞれの形で秩序を作りあげようとする。しかし人間が無力化した世界には三本脚で移動する食人植物「トリフィド」が増殖し、秩序を作りあげる前に対抗策もとらねばならなくなった。
 SFのアイデアをうまく使うた、無力化した人々がいかに生き残るかというサバイバル小説やったのですね。第二次大戦後すぐに書かれた小説なので、そこらあたりも意識して書かれたんやろうと思われる部分もある。盲目になった人々は敗戦国の国民。生きのびた人々は焼け野原から復興する人々。トリフィドは、大戦後も続く冷戦構造の隠喩、てなところでしょうか。もちろんそこまで深読みせずとも、ゾンビものの原型としてホラー小説として読むもよし、大きなアクシデントに見舞われた人々を描くパニック小説として読むもよし。さすがに70年以上も読み継がれているだけのことはあると、おっさんになって読み返すといろいろと考えさせられてしまうのでした。長い間読み返してへん方は再読することをお薦めします。むろん若い方にもお薦め。

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