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小公子(川端康成・訳) [読書全般]

 だらだらと高校倫理「第13回 ソクラテス 1」を更新しました。

 朝から例によってテレビ漬け。今日は昨夜録画した深夜アニメのほか、半年前に放送されたものの途中まで見て放置する形になっていたものを2作、最終回まで見てしまう。
 その後はパソコンで遊び、昼食後は少し居眠りしてから、2時過ぎにラジオとスマホDAZNを併用しながらプロ野球中継を視聴。連休で緊急事態宣言が出ているのに、近畿では超優良コンテンツであるタイガースの試合を地上波で中継しないカンテレはもったいないことをしたね。まさかこういう状況になるとは編成時には思うてもいなんだんでしょう。
 試合終了後、そして夕食後は読書。新刊ではなくまたぞろ古典翻訳読み比べをしてしまう。
 フランシス・ホジスン・バーネット/川端康成・訳「小公子」(新潮文庫)読了。「小公子」は子どものころ、小学館の「少年少女世界の名作」という1冊にいろんな話が入っている分厚い本で読んだ。近所のパン屋さんがなぜか仕入れていて、それを見つけた母が買うてきたという記憶がある。非常に面白く、何度も読み返し、ストーリーは今も頭に入っている。今回手に取ってみたくなったのは、「川端康成・訳」というところ。古典新訳がトレンドである文庫商戦で、わざわざ少年少女向きの「名訳」を文庫化したのはなぜか。それを読み解きたいと思うたので、同時に「新訳」のものもまとめて入手。解説によると、本来は野上彰との共訳として出ていたものに二反長半(にたんおさなかば)が手を加えたものの文庫化らしい。帯には「川端康成の名訳でよみがえる」などとあおっているけれど、看板に偽りあり。ただ、文章はそれほど古風ではなく、平易かつ滋味豊かなもので、川端康成の文体は損なわれてへんという感じ。本書で読む主人公セドリックはあまりにも完璧すぎて気持ち悪い。セドリックの母もしかり。おっさんの視点で読むと、祖父の伯爵の心境の変化も、まずセドリックの見た目が美しかったというところから始まっているとはっきり書いてある。つまり本書はバーネットが理想として描く親子が頑固でひねくれれた老人を善人に変える奇跡のお話の範疇にとどまっているように感じた。ただ、子ども心にはテーマがうなりをあげてハートに突き刺さったりして、愛読書になっていたんやなあと思うのでありました。

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