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さもしい浪人が行く [読書全般]

 今日も定休日。まだ3連勤4連休のペースがつかめません。
 線状降水帯ができたりする豪雨の影響で、大阪市内もざんざん降り。いやあ、耳鼻科に昨日行っておいてよかった、と、昨日の晩と同じことを書く。ただ、ほんまにベランダの前に幕が張ってあるみたいな大雨を目の当たりにすると、ほんまに外に出る用事がなくてよかったと思う。フルタイムの勤務にしていたら、えらいことでした。坂道の学校あたりやと山に近いからよけいきつく降っていたと思う。大雨洪水警報は出ていたけれど、それでは休校にはならんのです。大阪府立の学校は、暴風警報が出た場合のみ休校。なんでそうなっているんかは知らん。お山の学校や坂道の学校みたいに洪水や土砂崩れの危険性のあるところに所在している学校で何か起こったらどうするの、吉村知事。カジノも万博もどうでもええから、大事な府民の子どもたちを守ることを最優先にしなさいよ。と、いらんことを考えてしまうくらいよう降りました。
 午前中はテレビを見たり本を読んだり。昼食後、午睡。夕刻目覚めてタイガースの公式サイトを確認したら、甲子園の試合は降雨中止。そらそやな、おっサン。
 というわけで、夕食後はじっくりと読書。明日は外出予定があるけれど、天気予報では午後から晴れ。割と雨には降られる方なんやけれど、今回はうまいこといった。
 田中啓文「さもしい浪人が行く 元禄八犬伝 一」(集英社文庫)読了。長いこと積ん読になってたシリーズが完結したので、「新・平家物語」を読んでしもうてからまとめて一気に読もうと思うていた。全5巻のシリーズ。舞台は元禄時代の大坂。あの「里見八犬伝」に登場する人物たちが名前もそのまま江戸時代に活躍、という趣向。別に室町時代から転生したわけやなく、偶然の一致ということ、やと思う。要は田中さんも私も小学生時代に熱中して見ていたNHK人形劇「新・八犬伝」のキャラクターを自分なりに動かしてみたくなったということでしょう。むろん田中さんらしく登場人物の元禄時代の設定はきっちりしているし、主人公一味の「さもしい浪人」網干左母二郎のもとには「新・八犬伝」で人気のあった悪役たち(船虫、蟇六、亀笹など)がいるし、丶大法師や八犬士たちも登場。ただし、馬琴の「南総里見八犬伝」に船虫の夫として登場する並四郎も一味に加わっているので、「新・八犬伝」だけのオマージュでもないことが分かる。
 本書では江戸から流れ着いた左母二郎が船虫や並四郎とともに、丶大法師から持ちかけられた事件に協力するというパターンで2編が収録されている。井原西鶴の弟子を名乗る東鶴という俳諧師の行う矢数俳諧に隠された陰謀を暴く「通し矢と矢数俳諧」、大和と大坂の国境に出没する盗賊を犬山道節とともに退治する「真白山の神隠し」の2編で、田中さんらしくミステリのトリックも組み合わせた痛快なもの。「犬公方」こと徳川綱吉が登場したり、怨霊が登場したり(玉梓の怨霊やないのは残念)と、どう展開していくか楽しみです。
 ところで、「南総里見八犬伝」の登場人物には地口でつけられたような名前の登場人物が多い。そこらあたりも田中さんとは相性がええのかもしれん。ほんまかいな。

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