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人間の証明 [読書全般]

 例年やと元日に録画した「ウィーンフィルのニューイヤーコンサート」を朝から見て、ウィンナワルツで正月気分を味わうんやけれど、昨日の地震報道で放送がぶっ飛んでしまい、再放送枠で見ることになった。そのため、昨年末までのドラマ「ブギウギ」の積み残し分をすべて見てしまう。
 妻の作ってくれた雑煮を食してから、午後は読書。読了後、しばらく午睡。夕刻起きて次の本を読み始めたりする。夕食後、録画しておいたMBS「明石家電視台」を見る。タイガースの選手がずらっと出演し、さんまさんと軽妙なやりとりをする。さすがさんまさん、うまいこと話を引き出すなあ。
 その後はまたしばらくスマホをいじったり本を読んだり。羽田空港で旅客機と海上保安庁の飛行機が接触して海保の乗務員5人が死亡する大事故に。年始から落ち着かん年になった。この1年は自民党の裏金問題とかまだまだもめごとがが多いから、えらい波乱万丈な年になりそう。
 森村誠一「人間の証明」(角川文庫)読了。昨年森村氏が逝去されたのに、代表作を読んでなんだと思い、何冊か購入したものの一つ。発売当時は映画の公開などでベストセラーになってて、逆にそれで読まなんだのですね。
 高層ホテルのエレベーターで刺殺された黒人青年が見つかる。彼の素性もなぜ殺されたかも全く不明。インターポールを通じてニューヨーク市警のシュフタン刑事がスラム街を捜査し、旅費がどうやって作られたかを突き止める。日本では棟居刑事が殺害現場と目される場所に落ちていた麦わら帽子と最上やその詩集を手掛かりに捜査を開始。また、子育ての評論家として売れている八杉恭子とその息子、妻の不倫を追う小山田武夫など、さまざまな人物が登場し、それぞれの物語が綴られ……という話。複数の物語が重層的に進行し、それが最後に一点に収束していく。その巧みさはさすがというほかない。第二次大戦の戦後の混乱、そして、高度経済成長の影など世相を背景にした問題化や時代のひずみが犯罪を生み出していくという社会派ミステリではあるけれど、細かな謎が積み重なり、それが大きな物語に広がっていくところが本書の面白さ。確かにベストセラーになっただけのことはある。もしベストセラーになっていた時に読んだとしても、中学生やった私にはこの面白さはわからなんだやろう。そういう意味では、この年齢になって初めて読んだということにも意味があったかもしれん。まだ2冊ほど訃報に接した時に買うたのがあるんで、そちらもぼちぼちと読んでいきたい。文庫初版時の横溝正史さんによる解説もわかりやすく、おまけに別な掌編もついているお得な一冊でした。

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