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青春の証明 [読書全般]

 今日は定休日。午前中は昨日までに録画した番組を見て過ごし、昼食後、午睡。夕刻、いつもより早く目覚めると、妻が日帰り帰省をしに出るところやった。そのまま起きて、録画した相撲中継を見る。幕内では朝乃山が錦木にてこずりながらも勝ち、琴ノ若が若元春に完敗したため唯一勝ちっ放しに。阿炎が豊昇龍を引き落として今場所の初勝利。ここまで前に出ながらも気持ちと体がかみ合うてなんだ感じやったけれど、勝つ時はあっけなく勝つ。勝負というのはほんま、不思議なものです。
 妻が帰宅して、夕食。サンテレビ「熱血! タイガース党」を見る。毎年恒例のドラフト1位と2位の新人選手がゲスト。1位の下村選手は初めてテレビの生放送に出演したというのにかなり落ち着いている。西宮出身で、子どもの頃はサンテレビの野球中継を見ていたとか。2位の椎葉選手は契約金でまず釣り道具を買うたというほどの釣り好きで、サンテレビの番組も野球中継やなく釣り番組を見ていたという。さて、この2人、プロでどう活躍するのか、今は楽しみしかないですね。
 その後はしばらく読書。
 森村誠一「青春の証明」(角川文庫)読了。結婚を目前にしながら、夜の公園で殺人事件を目の前にして恐怖で動けなかった笠岡は恋人から「卑怯者」と絶縁される。その恋人、麻子は戦争で死んだ姉の代わりに特攻隊から生還した矢吹と結婚する。笠岡は「卑怯者」という言葉にとらわれ警察官に転身し、自虐的に、自分の目の前で死んだ刑事の娘、時子と結婚する。笠岡は妻の父を殺した犯人「くりやま」を探すが、あきらめていたところで「栗山」という男の死体を発見し、その男を殺した犯人を追う。笠岡の息子の婚約者の両親とあわせ、3組の夫婦とその子どもたちがそれぞれが知らぬところで関係を持ち、物語は笠岡を中心に一つにつながっていく……という話。ミステリとしては、複数の事件で誰が誰を殺したかというところに焦点が置かれるけれども、それが主眼ではなく、錯綜する人間関係と微妙な心理の動きがテーマとなっていて、ここらあたりの展開は「人間の証明」と同様、一見無関係と思われる出来事がどこかでつながっているという構造になっていて、それが収斂されていくあたりが読みどころ。結末はなんともほろ苦く、まさに「青春」という時期と壮年期に入った時期との比較をしながら登場人物の生き方そのものを解き明かすミステリとなっている。おそらく若き日に読んでいたとしたら、このほろ苦さを実感でけなんだんやないかと思われる。傑作とは言いかねる部分もあるけれど、なんと言えん味わいのある話やった。

 1月21日は「たちよみの会」例会の予定です。インフルエンザなどの感染症があちこちで増えておりますので、今月も13:00~15:00の短縮バージョンで行います。ご参加お待ちしています。

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