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ヒッキーヒッキーシェイク [読書全般]

 今日は4つの仕事を同時並行する形で進めんなならんことになってしまい、あわただしい1日になった。朝になって急遽やらねばならんことができたり、もう大変。管理職も私の一日の仕事をすべて把握しているわけやないにしろ、忙しいことはわかっているやろうに。愚痴をこぼしていても仕事は進まんので、休む間もなくお仕事。昨日から続いている生徒指導、明日の講演会の準備、奨学金の説明会、そして授業、さらには会議。ああきつい。定時によれよれになって退散。
 帰宅後はプロ野球中継。今日こそ勝ったと思うたのになあ。逆転負け。嗚呼!
 津原泰水「ヒッキーヒッキーシェイク」(ハヤカワ文庫JA)読了。幻冬舎の見城社長に単行本の実売部数をばらされ、文庫化も取り消されたのを早川の塩澤編集長が「この本が売れなかったら私は編集者を辞めます」と宣言して文庫化した話題の一冊。京都の丸善には、目立つところに平積みされていた。もし幻冬舎から文庫化されていたら、扱いも小さくひっそりと並べられていたやろうから、これはもう塩澤さんの勝ちやね。
 ヒキコモリのカウンセラーをしているJJが、年齢性別関係なくクライアントを選び出し、あるプロジェクトを始動させる。プロジェクトを進めるうちにヒッキーたちの間に人間関係ができてきたりするなど、それぞれのメンバーに大きな変化が生まれていくところが読みどころ。現代のビルドゥングス・ロマンというてええかと思うけれど、説教臭いところは一切なし。ストーリーがぐいぐいと読み手も登場人物も引っ張っていく。親本が話題にもならなんだのはタイトルのせいかもなあ。とにかく話の運びがうまい。ただし、うますぎてしまい、ラスト付近になると展開がある程度読めてしまうのが難点かも。とはいえ見城社長にボロカスに言われるほどひどい作品やないことは確か。そうかというて塩澤編集長が首を賭けるほどの大傑作かというと、そこまで至ってはいないんやないかとも思う。とはいえ、ヒッキーたちの心理描写など、学校現場にいてる者としてはけっこううならされるところが多々あり。けったいなところで話題になって、私もそれで読んでみたんやけれど、きっかけはどうあれ多くの人に読まれてほしい作品であることは確かですね。

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私の本業は…… [教育]

 地震の被害は比較的小規模にとどまったようで、ちょっと安心。そやけど夜中の地震はさぞ怖かったことやろう。被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
 今日は授業数は少なく、あれやこれやとやれるなあと考えたりもしていたけれど、生徒指導の仕事が突如入り、ばたばた。人権委員長として見過ごしてはいけない事象やったので、私の出番となったわけやけれど、内科検診の整列の仕事や昨日の奨学金の説明会に来られなんだ生徒を集めてのミニ説明会などとかちあい、午後はほんまにせわしなく終わる。へろへろになったまま定時に退散。
 帰宅後、プロ野球を追っかけ再生で見るけれど、今日もまた延長戦。サヨナラ勝利でもしてくれたら元気も出るんやけれど、最後は守屋と能見が集中打を浴びまたも負け。延長10回くらいになると睡魔にも襲われてもう何が何やら。
 OECDが日本の小中学校の教師は授業以外の仕事が多すぎるというレポートを出したそうやけれど、高校の教師かて同じでっせ。今週の私は奨学金の仕事と今週末の人権講演会の準備などの合間を縫うてほぼぶっつけ本番で授業をしてますがな。ここ2年やっている総合的な学習をよりブラッシュアップさせようと思うていたけれど、思うようにはいかんもんなあ。明日も奨学金の説明会をする予定。ほんま、私の本業はなんやろうと思うてしまうねえ。生徒の保護者から提出された書類の入った封筒の宛名には「事務 喜多様」と書かれていた。違う!私は教員やあっ。でも、保護者からしたら、お金関係の仕事は事務室の職員がやると思うわなあ。

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新潟で震度六 [1月17日の記憶]

 大阪北部を震度六の地震が襲うてまる一年。ちょうどその日に新潟で震度六の大地震が起きるとは。
 ぱんぱんにつまった授業をなんとか終えると、奨学金の資料一式を会議室に運びこむ。専門学校志望の生徒たちに向けた説明会を行う。明後日には大学・短大志望の生徒に対する説明会の予定。とりあえず今日の説明会は完了。
 資料一式を仕事部屋に持ち帰り、一息つく。もう何もでけん。定時に退散。すっと帰宅して、追っかけ再生でプロ野球中継を見る。試合はさくさくと進み、3時間くらいで終わる。先週とえらい違いや、負けたけど。
 今日は「スポニチタイガース川柳」の掲載日。先週は満足のいく投句がでけなんだからどうせ落選してると思うたら、佳作入選。
 土壇場で あっぱれ浜地 オリを断つ
 なんでこれが選ばれたかようわからんけれど、今シーズン2度目の入選。今週も続いてと勢いこんでも肝心のタイガースが負けると気持ちが乗らんなあ。
 で、パソコンを立ち上げてみたら、新潟で地震。現地の様子はニュースではほとんどわからず。
 それにしてもきっちり1年後に場所を変えて大規模地震が起こるとは。新潟には友人もいてる。心配であります。

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赤松真人 [読書全般]

 愛すれどTigers「連日の総力戦でリリーフ陣が奮闘」を更新しました。

 朝、まだ拳銃強奪犯が見つからない時間帯に出勤。電車の中でいきなり発砲されたりしないことを祈りつつ本を読んでいたら、スマホがぶるるんと震える。何事ならんと見てみたら、妻からのメッセージで強奪犯確保の一報。朝、7時前の発表やったので、午後から授業があることが確定。午前中は週末の人権講演会の講師に渡す花束の手配などをする。なんとなく休校という感じで午前中を過ごし、午後から授業に切り替えるというのはけっこう難しかった。
 放課後は会議なども早く終わったので、定時に退散。相変わらずしんどいなあ。帰宅して何本かHDDレコーダーに録画してあった番組を見る。
 思えば去年、6月の「たちよみの会」翌日の月曜日は震度6の地震で休校。今年は拳銃強奪犯のせいで半日休校。変なジンクスができないことを祈るばかりです。
 赤松真人「赤松真人38。 もう一度あの場所へ」(ザメディアジョンプレス)読了。広島東洋カープの赤松真人外野手。胃がんで胃を切除し、抗がん剤治療を経てようやく二軍戦に復帰してきた。本書はその赤松選手の闘病記と、半生記をミックスしたもの。編集者の考えもあるんやろうけれど、闘病記と半生記を交互に配置する構成よりも、第一部を闘病記の前半にし、第二部を半生記にし、第三部を闘病記の後半に当てるという形の方がよかったんやないかと。特に闘病記の部分は、現役のプロ野球選手がかなり進行したがんと闘い、復帰に向けてあがいているところをもっと深く掘り下げてもらいたかった。おそらく今ごろは一軍に復帰しているやろうというタイミングを見計らって出版されたんやないかと思うけれど、残念ながらまだ赤松選手の一軍での出番はない。もう少し待ち、一軍戦に出場したところあたりまで語ってもろうたら、かなり感動的になると思うんやろうけれど。赤松選手の思いが十分に伝わり切っていないように感じられた。聞き書きをまとめるのではなく、ちゃんとしたスポーツライターに依頼してノンフィクションとしてまとめてもろうた方がよかったんやないかと愚考する次第。そやないと赤松選手に対しても失礼なんやないかな。

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マンガみたいな髪型 [日常生活]

 今日は「たちよみの会」例会。今週はゴルフ中継のために「仮面ライダー」も「戦隊」もなかったんで、昨晩録画した深夜アニメのほか、ドラマ「雲霧仁左衛門2」を2話見る。
 昼前に出る。阪急の特急で上洛。今日は「京とれいん」の次の特急に乗ったので、途中から座れたりした。河原町についてまず喫煙所で一服。と、少し離れたところに「ジョジョの奇妙な冒険」の登場人物のようなリーゼントを頭に盛った人物を目撃。「ジョジョ」やなく「氣志團」のほうか。うーむ、マンガみたいな髪型というのは現実にあるもんやなあ。
 一服つけて「フランソア喫茶室」に向かう途中、四条通を歩いていた若い白人女性の着ているTシャツに目が釘付けに。「丸尾末広」と太ゴシックで書かれていて、その下に丸尾さんのものと思われる絵がプリントしてある。どこで買うたんや、そんなシャツ。それになんで丸尾末広やねん。なんとも立て続けに予想もしてへんものに出くわしてしもうたわい。
 例会には古参会員A氏が今日も顔を出してくれた。ありがたいことです。用事があるということで早々と出ていかはった。私はその後しばらく読書をしてから早めに切り上げ、「丸善」で文庫本や新書本、ムックなどを購入。夕食をとり、帰阪。
 帰宅したらまだプロ野球中継は録画中。5時間近い熱戦で、引き分け。追っかけ再生をして見る。デーゲームをタイムシフトしてナイターで見るようなもんですからね。ああ疲れた。
 吹田で警官が刺殺され、拳銃を奪われた。犯人が捕まらなんだら明日は休校。でも教職員は出勤。10時までにつかまったら午後から授業。自分の安全確保のために休暇を取る、というわけにはいかんのですねえ。

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「白蛇姫」と「わんぱく牛若丸」 [テレビ全般]

 今日は完全休養日。朝から今週の「なつぞら」をまとめて見る。劇中に登場する日本最初の「総天然色長編漫画映画」は「白蛇姫」。でも映像はそのまま東映動画「白蛇伝」のものを使用しております。ここらあたりに、先人への敬意を感じる。今の「アニメ」とは違うのですよ。で、吹き替えの俳優は森繁久弥というわけにはいかず、山寺宏一さんが徳川夢声ならぬ「豊臣遊声」なる役名で登場している。実際は宮城まり子さんがやった役は鈴木杏樹さんがやっていて、当時の吹き替えの雰囲気を出している。いや、実際この二人で再録音したバージョンというのを見てみたくなりましたね。
 さして実際には第2作は「少年猿飛佐助」となるんやけれど、こちらは劇中では「わんぱく牛若丸」。キャラクターをアニメーターそれぞれに出させるという展開になっているけれど、おそらくこれは「わんぱく王子の大蛇退治」のエピソードをこちらにもってきているんやろう。ということは、「白蛇伝」から「わんぱく王子の大蛇退治」まで一足飛びということになるのかな。実際は「少年猿飛佐助」の次は手塚治虫先生が参加する「西遊記」になるわけやけれど、そこまで再現するといろいろとややこしくなるので割愛するのかもしれん。
 というわけで、私のような「東映まんがまつり」育ちの者にとってはいろいろとわくわくする展開になってきているけれど、もし「西遊記」を割愛してしまうとなれば、「安寿と厨子王丸」から「太陽の王子ホルスの大冒険」あたりの労働争議のエピソードも割愛される可能性が高く、その中心にいた高畑勲さんや宮崎駿さんも登場しない可能性があるなあ。
 さて、漫画映画草創期を描く「なつぞら」には手塚、高畑、宮崎というアニメ史上に残る偉人をモデルにした人物は登場するのか。大いに楽しみですね。テレビの前の多くの視聴者たちはそんな楽しみ方は……しつこいね。
 午睡のあと、夜はプロ野球ナイター中継を見る。タイガースは逆転サヨナラ負け。うーむ。まさかこうなるとはなあ。

 明日、6月16日(日)は、「たちよみの会」例会です。多数のご参加をお待ちしています。

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だれがコマドリを殺したのか? [読書全般]

 今日はお山の学校は学年別校外学習。生徒も教員もほとんど出払っていて森閑としている。私は引率にはあたっておらず、学校で留守番。たまっていた事務作業や来週からの授業の準備に専念。ひとり部屋で自分のペースで仕事ができるのはええけれど、時間をうまく区切って作業を進めんとだらだらしてしまう。こういう時、学校というのはありがたく、定時にチャイムが鳴る。あ、3時間目が終わったな、ここらでコーヒーでも飲むか。という具合です。予定していたことはほぼできたんで、定時に退散。小雨の中、帰宅。
 帰宅してプロ野球中継を追っかけ再生で見る。Bsに逆転負け。そら、Bsにしたら同じ京阪神をフランチャイズとしているのに、しかも自分らの主催試合やのに、テレビでも基本はタイガース応援やもんなあ。意地でも勝ちたいよなあ。しかも相手投手はFAで相手チームに出ていった奴やもんなあ。負けたのは残念やけれど、悔しいとか腹立つとかそういう感情にはならんね。
 イーデン・フィルポッツ/武藤崇恵・訳「だれがコマドリを殺したのか?」(創元推理文庫)読了。久しぶりに古典ミステリを読んだなあ。結婚相手がほぼ決まっている若い開業医が、他の娘に一目ぼれ。相手も一目ぼれで、おじの反対を押し切って結婚。しかしつまらぬ隠しごとをしていたせいで、二人の間には一気に溝ができ、そして妻はついに病死してしまう。ところが妻の死後1年以上たってから、もとの夫に殺人の嫌疑がかかり、という話。オースティンを思わせる男女の中を描く恋愛小説的展開の前半部分から、嫌疑をかけられたもと夫の友人である探偵が冤罪を晴らすべく活躍するミステリ展開の後半部分への切り替わりが面白い。タイトルを見たらヴァン・ダインやクィーンみたいにマザー・グース見立ての殺人事件でも起こるのかと思わせるけれど、実は病死した若妻のあだ名が「コマドリ」なので、それに引っ掛けて作中で探偵がつぶやく言葉がタイトルになっているのですね。フィルポッツは見立て殺人なんてパズルは書かないのです。これまで読んだ2冊と同様、殺人者はサイコパスゆないかと思われる。どうも作者の興味関心はミステリとしての完成度以上に、殺人者の心理を描くことにあったみたいやね。でも、ここで出てくるトリックは、ミステリ初期の作品としてはなかなか斬新なものなんやないかな。男女の機微と本格ミステリが見事に融合した秀作です。でもなかなかミステリ展開にならんので、パズラーの好きな読者はいらいらしてしまうかもね。私は面白く読んだけど。

 6月16日(日)は、「たちよみの会」例会です。多数のご参加をお待ちしています。

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ヒト夜の永い夢 [SF]

 昨夜は久しぶりに鼻ポンプをつけずに寝る。朝までぐっすり寝る。でもまだ眠い。それでも今日しておきたかった仕事はなんとか片づける。定時に退散。帰路、医者に寄り、鼻ポンプのデータをもとにいろいろと問診。血圧の薬はまだしばらく続けることに。鼻ポンプもなんとか続けていくことになった。
 帰宅後、追っかけ再生でプロ野球中継を見る。若い左腕投手同士が互いに完封ペースでの投球。結局タイガースは一発に泣く形になったけれど、阪急阪神HDの株主総会に出て「ドラフト2位3位の指名選手を見てよそのスカウトが笑っている」と言うてのけた株主さん、今日投げた高橋遥人はドラフト2位。どこのスカウトが笑うたかしらんけれど、指名した選手すべてがレギュラーになれる世界やないんやからね。毎年頓珍漢なことを言う株主は絶えんなあ。
 柴田勝家「ヒト夜の永い夢」(ハヤカワ文庫JA)読了。あの南方熊楠が粘菌を使うてロボットを作りだすという着想はなかなかのもの。当時の実在の人物を山ほど出し、最後は北一輝と南方熊楠の対決となるなど、おもしろそうな話なんやけれど、意余って力足らずというのか、せっかくのアイデアが生きてきていないように感じた。まあ山田風太郎の明治ものと比べたらあかんとは思うんやけれど、虚実ないまぜにする場合、いかにもありそうでなさそうな絶妙の組み合わせにしなければならない。乱歩と熊楠のとりあわせなんてのも面白いけれど、後半になるとそれらの人物の描き分けができなくなってしまい、物語が破綻してしまう。もっとアイデアを寝かせておいて、熟成するまで待ってもよかったんやないかと思う。そういう意味では残念。それと、夢と多元宇宙をからめるならば、もっとアイデアに説得力をもたさなならんと思う。こちらも意余って力足らず、かなあ。もっと深く掘ることのできる題材なのに、私には薄っぺらく感じられてならなんだ。ところで、これだけの力作にもかかわらず、巻末に一切参考文献を表示していないのはなんでなんやろう。もしかしたらそれほど参考文献にあたらずに書いたのかなあ。どんな文献にあたったのか、どれくらい読みこんだのか。それが知りたい。力作ではあるけれど、傑作にはならなんだ、というのが偽らざる感想。熊楠の評伝をちゃんと読んでみたくなった。

 6月16日(日)は、「たちよみの会」例会です。多数のご参加をお待ちしています。

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百田尚樹の引退 [読書全般]

 朝から眠い。行きの車中も眠い。職場についても眠い。帰路も眠い。プロ野球の中継を見ていても眠い。パソコンに向かっている今も眠い。鼻ポンプを寝ている間にはいだりすることもあったりしているから、呼吸が止まりかけてポンプが強く作動すると眠りから覚めて、そこから眠りが浅くなるのかもしれん。
 特に今日は短縮時間割の関係で私の持ち授業がなかったから、緊張感を欠いてよけい眠くなったんかもしれん。そやけどこういう日にこそたまっていた事務作業やらなんやらを片づけるにはちょうどええのですね。スローペースやけれど、やろうとしていた印刷やら打ち合わせやらなんやら、かなり片付いた。
 タイガースはホークスに快勝。同じパ・リーグでもマリーンズやファイターズがかなりしつこい野球をしてくるのに対し、ホークスは意外に雑やなあと感じた次第。
 夜、ニュースサイトを見ていたら、百田尚樹さんが作家活動を引退するとのこと。ええんやないですか。最近では権力者の提灯持ちみたいなことばかりしている感じなんで、こんなことばかりしていて総理が権力を失うた時にはどうするんやろうと思うていた。
 参議院選挙への立候補は否定してはるみたいやけれど、やったらよろしいやん。ここまできたらしんぞう総理と一蓮托生でええんとちがいますか。どっちにしても、権力をバックにして反対するものを罵倒するというようなことしかでけんようになった時点で、作家としてはもうあかんよなあこの人と思うてたけれど、ご本人も自覚してはったということかいねえ。表向きは最新作を読み返して満足したからやということらしいけれど、そんなことあるかしら。
 私もものかきのはしくれであって、力量不足でお話が作れんと感じることはあっても、こんなん書きたいあんなん書きたいという気持ちはまだまだ残ってる。ものを書くというのはそういう業なんやと思う。そやから、たった15作だけで書きつくしたなんて言葉、ちょっと信じられんのですけれど、如何。

 6月16日(日)は、「たちよみの会」例会です。多数のご参加をお待ちしています。

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田辺聖子の死 [追悼]

 今日は午前中は授業がぱんぱん。午後からは来訪者あり、会議あり、教育実習生への指導ありで、なかなか奨学金の実務が進まず。体が重く、定時で退散。帰宅後は追っかけ再生でプロ野球中継を見る。BSテレ東がサブチャンネルを使うて4時間半を超える試合を中継してくれた。とはいえまた寝る時間が遅くなるやないですか。明日は時間に余裕があるので、事務作業がはかどることやろう。いや、はかどらさんとあかんのですわ。
 作家、田辺聖子さんの訃報に接する。享年91。死因は胆管炎。
 私は田辺さんの熱心な読者というわけやなかったけれど、代表作である「姥ざかり」のシリーズや、「ラーメン煮えたもご存知ない」などのエッセイがとても好きやった。なによりそこで書かれる大阪弁が上品で、ほんまは大阪弁というのはこういう言葉やってんなあと再確認させられることが多々あった。
 女の強さ、男の弱さ、男女の機微を上質のユーモアで表現した稀有な作家やったということは、今私がここで書くまでもないこと。
 あまり触れられることのない傑作を紹介しときたい。「お聖どん・アドベンチャー」(集英社文庫)です。タイトルは映画「ポセイドン・アドベンチャー」のもじり。作家が食えなくなってしまった近未来社会で、旅芸人の一座をしたりして生き抜くという連作短編集です。出てくる作家はみな実名。筒井康隆、小松左京、眉村卓といった関西のSF作家はもちろん総出演。笑いのオブラートにくるみながらも、言論が衰退していく社会の恐ろしさを根底に描いたSFなのです。源氏物語の再話、古川柳の紹介、与謝野晶子ら先達の評伝などから、恋愛小説、そしてSFも書けるというこの幅広い作風に、底知れぬ実力を感じるのですね。
 言わねばならんと思うた事ははっきりと言う、そういう肝のすわった作家でもあった。こういう人はもう二度と出てこんのやろうなあ。
 謹んで哀悼の意を表します。

 6月16日(日)は、「たちよみの会」例会です。多数のご参加をお待ちしています。

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