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ほんものの魔法使 [読書全般]

 朝は少しだけゆっくり目に起き、ひたすらアニメ視聴。昨夜録画した分はすべて見るのがしんどく、2本残して新番組「仮面ライダーギース」と「ドンブラザーズ」を見る。「仮面ライダーギース」は久々に複数の仮面ライダーのサバイバルもの。「リバイス」よりはわかりやすそうなので、よい子たちにもついていけるかも。「仮面ライダー龍騎」のようにバトルロワイヤルをするんやなくて、敵をたくさん倒したライダーが生き残るという趣向。
 それからパソコンに向かい、昼食。食後は少し読書をして午睡。夕刻起きてきて、社説のダウンロードをしたりしてからまた読書。夜はサンテレビのナイター中継を追っかけ再生で見る。若手の西純矢と赤星の見応えある投手戦となったけれど、中田翔の一発に泣き、タイガースは連敗。試合終了後はまた本を読み始めるけれど、気がついたら寝ていた。なんとか起きてパソコンに向かうてます。
 ポール・ギャリコ/矢川澄子・訳「ほんものの魔法使」(創元推理文庫)読了。本当に魔法を使うアダムは魔術師のギルドのある都市マジェイアにやってきたが、そこでの「魔術」はトリックを使うた奇術や手品のこと。アダムは市長ロベールの娘で父や兄に魔術師として認めてもらえないジェインを助手にして、魔術師ギルドに入るテストを受ける。そこで「ほんもの」の魔法を使うたため、マジェイアは大騒ぎになる……という話。「ジェニィ」や「トマシーナ」に連なる風刺の入ったファンタジー。魔法都市の「マジック」は奇術の方の「マジック」で、そこに「ほんものの魔法使」がやってきたらどうなるかという設定が楽しい。誰もがアダムの魔法のタネを聞き出そうとするけれど、アダムはジェインに「身の回りの自然が起こしている現象こそが魔法」と語る。人の目をくらませる人工的な奇術ではなく、自然に「魔法」を使うアダムとマジェイアの人たちとの対比がテーマになっている。「ジェニイ」では猫になってしもうた男の子と本物の猫の対比で読ませていたけれど、本書もそういう「ほんもの」と見かけは似ているけれど中身は違うものとの対比を通じて、読み手に「ほんもの」とは何かを考えさせる。アダムを狙う腹黒い魔術師たちとの戦いみたいなものもうまく織り交ぜられていて、楽しく一気に読ませる。肩の凝らない楽しい読み物です。

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