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「みんな違ってみんないい」のか? [読書全般]

 愛すれどTigers「カープに3連勝もジャイアンツに連敗」を更新しました。

 今日は出勤日。行きのバス停で眼鏡のフレームをつないでいたねじが外れ、レンズが取れた。仕方がないので、予備に持っていた度つきのサングラスをつける。大学生時代に作ったもので、今はたまにしかかけへんから至って丈夫。レンズはガラス、フレームもがっしりしている。昔の丸善京都店でこしらえたものです。ただ、サングラスをかけて授業というのは教室が暗く見えて困る。
 夏休み明け初めての5コマ連続日。奨学金がらみの仕事が飛びこんできたり、追試の生徒を放課後に呼び出していたり、1日ばたばた。なんとか定時に退出したけれど、バスの中でぐったり。
 帰宅後、しばらく読書。夕食後、パソコンに無線LANの子機をつける。ソフトのインストールなどちょっと手間取るところもあったけれど、無事無線LAN開通。これでWiFiルータとつながった。昨日まではいちいちパソコンにLANケーブルを差しかえたりしていて、私がパソコンを使用している間は妻がスマホを使いにくい状況になっていたけれど、これで万事解決。
 台風が近づいている。明日は暴風が予想されている。でも、眼鏡を直しに行きたいしなあ。雨が降る前に早めに行くか。
 山口裕之「『みんな違ってみんないい』のか? 相対主義と普遍主義の問題」(筑摩プリマー新書)読了。著者は徳島大の哲学教授。「正しい」ことはどうやって決まっていくのかということについて、中高生向けに書かれた本やけれど、これは大人にもぜひ読んでほしい。「正しい」ことは人それぞれで違うという相対主義も、「真実はいつも一つ」という普遍主義も結局は対立や分断を生んでしまう、と著者は説く。「正しい」ということについて、対立するものがコミュニケーションを取り、すり合わせながら長年かかって現在のモラルやルールが作られてきたのだということを、哲学史などを紹介しながら実証していき、現在起こっている諸問題もそうやって「正しい」やり方を探っていくしかない。「みんな違ってみんないい」という言葉は個々の価値を認める言葉ではあるが、社会生活を営む上では結局何が一番いいのか決められず、最終的には権力者が強権で「正しい」ものを押しつけてしまう。それが日本の現状ではないかと著者は危惧している。もちろん弱者が声をあげることは必要。本書を読んで、私はユニバーサルデザインについて考えてみた。最初は障碍者のために作られたものでも、実はすべての人に利便性をもたらす。それがユニバーサルデザイン。みんな違うはずなんやけれど、みんなが便利になる。相対的なものに普遍性が与えられるということにはならないか。「正しい」ということについて考えるきっかけを作ってくれる非常に興味深い一冊であります。

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