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血と炎の京 [読書全般]

 今日は月例の京都の医者行き。朝のうちにアニメを見てしまい、昼前に出かける。台風接近のため、風が強いけれど、湿気っているんで蒸す。往復とも阪急の特急には座れたけれど、医院の待合室は満杯でかなり待つことになった。今月も一部の薬はジェネリック。効き方が違うので先発薬の方がええんやけれど、やはり入荷してへんとのこと。服用しないよりはましなので、今月もジェネリックで辛抱することになる。
 診療後、すぐに帰阪。帰宅後、午睡。
 夕刻起きてきて録画した大相撲中継を見る。勝ちっ放しは北勝富士一人に。今日の中継は「教えて北の富士さん」と題して視聴者からの質問に随時北の富士さんと向正面解説のもと寺尾の錣山親方が答えるという企画があった。質問募集なのに応援メッセージが多いのには「あんたら日本語わからんのか」とつっこみたくなった。「引退後の化粧回しはどうしていますか」との質問には北の富士さんは「あちこちに行ってるねえ、相撲博物館とか」、錣山親方は「贈ってくださった方に記念にとお返ししています」とのこと。いかにもという答えでした。錣山親方の師匠の井筒親方は寺尾関に「破れ傘刀舟」というしこ名をつけさせたがってたなんて話が出てきたのは思わぬ収穫(?)。若いファンにはわからんやろうな。お前たちゃ人間じゃねえ。いや楽しかったです。
 その後、タイガースの試合を追っかけ再生で見る。今季最後の東京ドームは西勇がホームランを打たれて負け。試合終了後、また少し読書。外は雨が降ったり風が吹いたり。
 朝松健「血と炎の京(みやこ)―私本・応仁の乱―」(文春文庫)読了。琵琶湖の南にいた堅田衆は応仁の乱の際に山名宗全に味方することを断ったため、皆殺しにされる。若長の通武は顔に「犬」の字を刻まれた上に手足を縛られて放り出されてしまう。餓死寸前のところを細川勝元配下の多賀高忠に救われた彼は骨皮道賢と名を改め、宗全に復讐することを誓う。その山名宗全は「霹靂車」という投石機を使い、血と炎にまみれた京都で大量殺戮を目論んでいた……という話。戦いとは何か、人の道とは何か。応仁の乱に行きた足軽たちの戦いを通じて、朝松さんは大量破壊兵器の非人道的なことを生々しく描き出している。その迫力たるや、読んでいてもぞくりとくるほど。中公新書の「応仁の乱」がベストセラーになった頃に書きおろされた作品やけれど、「霹靂車」を史実以上の破壊兵器として描くことによって、独自の戦争観を打ち出している。伝奇的要素はそれほど多くないけれど、狂気をはらんだ登場人物たちの存在と、序章と終章で描かれる日野富子の描写など、伝奇小説家やないと書かれへん人物像やと思うた。いや、すごかった。風太朗忍法貼とはまた違う、異色の歴史小説であります。

 明日9月18日は「たちよみの会」例会の予定です。やはり、新型コロナウィルス感染症第7波真っ最中なので、今月も13:00~14:30の短縮版で行いたいと思います。ご参加お待ちしています。

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