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予告殺人 [読書全般]

 愛すれどTigers「連日の1点差敗戦で優勝を逸する」を更新しました。

 今日はハッピーマンデーで敬老の日。もしかしたら満60歳になった私は「敬老」の対象になるのか。うーむ。なんとも複雑な気分。少しずつ社会の動きとずれていくのやろうな。まあ毎日深夜アニメを見ているうちはそう老けこんだりはせんやろうけれど。
 台風は九州を縦断し、日本海岸沿いに北上とのこと。そやけど自宅近辺は風はせいぜい強風、雨も豪雨というほど降ってへんので、台風が来ているという実感はあまりしませんね。
 結局アニメを見たりパソコンに向かうたり午睡したりといつもの休日と変わらず。寝ている間に妻はベランダのものが飛んで行かんように室内に移動させたりしてくれている。その間、爆睡。ちょっと寝て早めに相撲を見ようと思うていたけれど、6時半くらいまで寝ていた。昨日まで連日京都に行ったりして疲れてたんやろうな。
 起きてから録画した相撲を見る。北勝富士が9連勝。玉鷲が1敗で続く。追いかけるのは高安など。平幕ばかり。正代は負け越し。本来秋場所は一番荒れへん場所なんやけれど、夏巡業が中止になった影響かなあ。今年は関東で4回ほどしたけれど、これまでの夏巡業みたいにみっちりと稽古ができる環境とはほど遠かったようやしな。
 アガサ・クリスティー/羽田詩津子・訳「予告殺人」(ハヤカワクリスティ―文庫)読了。ミス・マープルものの中でも最高傑作と言われている作品で、本書は新訳版。前任校で図書室の担当をしていた時に、リクエストで購入したことがある。その時に読んだはずなんやけれど、それは田村隆一・訳の旧訳版。読み比べ、ではなくどんな話か全く記憶してなんだので、新訳版で再読したというわけです。確かに読んだはずなんやけれど、まるで初読のように内容をすっかり忘れていたのには自分でもびっくり。
 小さな村の地方新聞に「殺人をお知らせします」という告知が掲載され、村の面々が予告された日にその家に集まってくる。「殺人ゲーム」という鬼ごっこのようなものと思うていたのに、時刻が来たら突如停電し、謎の男が現れて発砲したので参加者は恐慌をきたす。そして、その男は自らの銃で殺されていた。その男の自作自演と思われたが、牧師夫人がミス・マープルを呼び出し、真犯人が別にいることが示され……という話。何のために、誰が殺人を犯したのか。そして真相に気づいたものが次々と殺されていく展開はなかなかにスリリング。最後にミス・マープルが仕掛けた罠に真犯人が飛びこんでいくんやけれど、不幸な人間が幸福をつかむためについた嘘が雪だるまのように膨らみ、ついには殺人を犯すまでになっていく様はなんとも哀しいものがある。ミステリ作家が殺人事件といを扱うからには、殺した犯人や殺された被害者の人生に責任をもたなあかんと、クリスティーが主張しているように思う。非常に優れた人間ドラマとして読みました。もしかしたら前任校時代、読む予定やったのに転勤が決まって読まれへんだのかもしれん。そうでなかったらここまで内容を忘れているはずがないからね。

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