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二所ノ関部屋の消滅 [大相撲]

 大相撲の二所ノ関部屋が、元関脇金剛の二所ノ関親方の脳梗塞のために部屋の存続が難しくなり、部屋を閉じることになったという。部屋付きの元関脇麒麟児の北陣親方や元小結大徹の湊川親方、ほか行司、床山、呼び出しといった裏方は松ヶ根部屋に移籍し、わずか数名残っていた力士たちは引退が濃厚やとか。
 二所ノ関部屋は戦前の横綱玉錦が一代で大きな部屋にし、引退した力士たちにどんどん部屋を新設することを進めて一大勢力を築き上げたという歴史がある。解説者としても人気のあった玉ノ海梅吉さん、大関佐賀ノ花、横綱大鵬、大関大麒麟など名力士を時代ごとに排出し、一門には片男波部屋、佐渡ヶ嶽部屋、尾車部屋、鳴戸部屋、松ヶ根部屋、大嶽部屋など人気力士の所属する部屋が多い。ただ、一門の結束力は、例えば出羽海一門あたりと比べるとちょっと弱い。実際、一門を構成するはずの貴乃花部屋は一門から離脱させられ、間垣部屋や立浪部屋などと「貴乃花グループ」と呼ばれる一派を形成していたりして、系譜からはじき出されたりしている。
 昨年の今ごろは二所ノ関親方は元気に「親方オールスターズ」でCD制作に参加していたりしたんやけどねえ。現在は入院中で部屋経営も相撲協会の仕事も全くでけへん状態にあるらしい。部屋付きの親方に後を継がせることは不可能やったんかなあ。部屋経営はお金がかかるから、よほど意欲がないと引き受けられんのかもしれんなあ。
 一時は新しい部屋がどかどかできていたけれど、最近は師匠の定年退職とともに部屋を閉じるケースがよくみられる。元大関旭国の大島部屋、元関脇富士桜の中村部屋、元小結大潮の式秀部屋……。私が小学生から中学生のころ、相撲ファンになった当時の名力士ばかり。二所ノ関親方も「ホラ吹き金剛」なんて言われるほどユニークなコメントで知られる名物力士やったなあ。
 相撲部屋は一時飽和状態にあって、一時期に比べるとこれらの部屋消滅でだんだん適正な数に落ち着いてきたなあとは思うているけれど、一門の総帥的な存在である名門部屋の消滅は、ファンとしては寂しいものがある。伊勢ヶ浜部屋のように一度消滅したけれど一門の元横綱旭富士の安治川親方が名跡を交換して復活させた例もある。いつか一門のどこかの部屋によって二所ノ関部屋という名前が伊勢ヶ浜部屋のように復活させられる日が来てくれればええんやけどね。

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