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刑事コロンボ読本 [読書全般]

 今日は雪こそふらなんだけれど、やはりお山の学校のぼっち部屋は寒かった。授業がある時はええけれど、仕事部屋に戻ったらストーブにはりつき。体全体の血行がよくないような気がする。スローペースで事務作業。定時に退散。
 帰路、さる事情があり、医院に寄って簡易検査キットを受け取る。コンパはこのキットを装着して寝ることになる。一晩しっかり眠らんならんから、帰宅後は水分は極力取らんように心掛ける。歳をとるとほんまにいろいろと体にガタがきますなあ。
 町田暁雄・編「刑事コロンボ読本」(洋泉社 映画秘宝セレクション)読了。推理小説における倒叙ミステリの系譜をたどり、リンク&レビンソンのコンビがコロンボにたどり着くまでの経緯を探り、NHKの放送開始からコロンボ・ブームまでの状況を検証し、二見書房のノベライズ版に関する詳細を当時の担当編集者の証言をもとに明らかにし、さらにコロンボのブームから派生した鮎川哲也原案のドラマ「チェックメイト78」に関して残された資料をもとに詳述し、倒叙ミステリドラマ「古畑任三郎」の脚本家・三谷幸喜とプロデューサー・石原隆の対談、倒叙ミステリ小説「福家警部補」の作者でコロンボのノベライゼーションも担当したことのある大倉崇裕と編者の対談がおさめられている。
 旧シリーズのみを対象にしているのが嬉しい。新シリーズについては対談などでわずかに触れられているだけ。これこそ本当のコロンボ愛好者の取るべき姿勢やと私も思うね。
 コロンボが好きな人による、コロンボが好きな人のために作られた、コロンボのための一冊。カバーのデザインに入った斜めの帯とカバー見返しに掲載された「私のコロンボ」はむろん二見書房版のノベライゼーションを意識したもの。
 コロンボだけやなく、それをとりまくものも網羅しているところが心憎い。今、BSで人気投票上位のものを再放送しているけれど、あまり人気のないものでも今見たらおもしろいはず。どこかに積んであるDVDを掘り出して、一気に全部見たくなった。中学生くらいの多感な時期にこういう上質な作品を見て育った私らの世代はいかに幸運やったかと思わずにはいられません。コロンボファン、倒叙ミステリファンは必読ですぞ。

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