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モリアーティ秘録 [読書全般]

 正月休み明けからフルでお仕事をしていたので今日はガス欠状態。なんとか教材の印刷やらごちゃごちゃ細かい仕事をこなす。授業がないとエンジンがかからんなあ。
 昼過ぎ、早めに退出し、中学校訪問。来週に予定されている学校説明会最終回のPRをしにいく。どこを受けるか心が揺れている受験生の気持ちをお山の学校になんとか向けさせたいと必死のパッチなのであります。
 帰路途中に最寄駅のある中学校やったので、訪問終了後は直帰。しかもかなり早めに帰宅できた。帰宅して妻とアニメを何本か見て過ごす。明日からは三連休。明日はしっかり午睡するぞう。インフルエンザの流行で、私も教えに行っているクラスが学級閉鎖。体力をつけとかんと免疫力が落ちていて感染したりするのも嫌やからね。
 キム・ニューマン/北原尚彦・訳「モリアーティ秘録 上・下」(創元推理文庫)読了。「ドラキュラ紀元」でマニアックなパスティーシュをしたニューマンが今度はシャーロック・ホームズに挑戦。ただし一筋縄でいかないのがこの作者らしい。いわば「裏シャーロック・ホームズ」とでもいうべき作品に仕上がっている。モリアーティ教授の犯罪を腹心のモラン大佐が記録するという体裁。ホームズが正典で解決した事件の関係者がちらほらと登場するくらいは序の口。同時代の小説「ゼンダ城の虜」「宇宙戦争」「テス」などを題材に取ってみたり、フー・マンチューやドクトル・マブゼなどこれでもかこれでもかといろんな小説や映画の登場人物が入り乱れて出演する。
 ホームズのパスティーシュを書かせたら古今東西ピカイチの北原さんによる膨大な数の訳注がなかったら、登場人物の出典など全くわからなんだりする。これはただの翻訳やないね。北原さんの労作と言うてもええんと違うかな。博覧強記のニューマンと渡り合うんやからすごいですよ。
 とにかくマニアック。ただ、あれもこれもと放りこんでいったせいで全体的にとっちらかったような感じになってしもうたのはちょっと残念。パスティーシュというよりはかなりパロディ色が強く、笑いの要素もかなり盛りこまれている。ここまで高度で知的な遊びをされると、読み手がついていくのはなかなか大変であります。
 とにかく翻訳を完成させた北原さんには心より感謝とねぎらいの言葉を贈りたい。

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